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「広臣さん」

広「…ん?」

「…麻里奈さんのこと、好き?」

広「…いきなり、どうした?」

「話、聞いちゃいました」

広「…そっか、」

「…なにがあったか、話聞いてもいいですか?」


そういうと、広臣さんは
少しずつ出来事を話してくれた。


広「…俺が一目惚れしたんだ、そして付き合った。
…でも俺はこの登坂コンツェルンの御曹司で、
麻里奈は、破産した大企業木山財閥の娘。
付き合ってる時に、麻里奈の親父さんが
企業で失敗して…麻里奈を残して死んだ。
一人ぼっちになった麻里奈を守ろうと思ってた。
でも親父は、金持ちじゃなくなった麻里奈を見て
もうこの娘とは別れろって言いやがった
お前はこの家の跡取りのくせになにをしてるんだって…
俺はそれでも麻里奈といたかった。
でも、親父が俺たちを無理やり別れさせて…
そして、麻里奈はいなくなった。
…そのときに、親父が婚約者を決めるなんていいだして
俺に選ぶ権利さえなく、いろんな奴が来た。
でも、どうしても麻里奈がよくて…
麻里奈以外の奴なんて、って思った時に
ふとあんたのこと思い出したんだ。
こいつなら、麻里奈の代わりでもいいって。
…でもやっぱダメだった、麻里奈が突然
ここに来てあいつの顔を見てたら、
やっぱり麻里奈じゃなきゃって…」

「…そうだったんだ」


話し終わった広臣さんの目には
涙で溢れていた。


広「…わりぃ、何泣いてんだろ」

「泣きたい時に、泣かないと」


そういって、彼を抱きしめた。


広「…子猫ちゃんに慰められるなんてな」

「…久しぶりに聞いた、その呼び方」



ふっ、と笑った広臣さん。

やっぱり、笑ってる広臣さんが一番だよ。





…あたしも、二人のことなんとかしてあげたい。

祥子さんと直くんにも、相談してみよ。

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作者名:はんぺん | 作成日時:2017年4月14日 0時

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