スキライ 。

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「…なんですか？」

祥「単刀直入にいうと、
あたしの弟の、婚約者のふりをしてほしいの」

「…えっ！？」


…まって、どういうこと？
婚約者のふり？


祥「突然で驚くわよね、
…でもほんとにお願いしたいの」

「どういうことですか？」

祥「…最近、いろんな手をつかって
婚約者になりたいって女子がたくさんいて
あの子も困ってて」

「なんで、あたしですか？」

祥「…弟が、Aちゃんがいいって」


え、弟さんが？？
あたし、まだ会ったことないよね？
祥子さんの弟さんになんて、１回も。


祥「…前に、あたしと直人の結婚式に
あの子も来てて、すぐ帰ったんだけど
そのときにAちゃんのことを見て、
気に入っちゃったらしくて。
俺はあの子にまた会いたいんだって、
…あの子、あたしが言うのもあれなんだけど
すごくかっこいいのよ」


…祥子さん、過保護すぎないですか？
なんて、言えるわけなくて。


「すこしだけで、いいんですか？」

祥「婚約者のふりをして、
１ヶ月だけ一緒にいてくれたらそれでいいから
ただ、隣にいてくれたらいいの
あの子も１ヶ月だけ一緒にいてほしいって
ゆってたの」


い、１ヶ月…。
その間、健二郎に会えないってことだよね？
…そんなの無理だよ、寂しすぎる。


直「俺からも、頼む」

祥「お願い、」


二人にこんなに言われちゃったら
嫌でもするしかないじゃん。


「わ、わかりました」

祥「ほんと？Aちゃん、ありがと」

直「これで、あいつも喜ぶね」




健二郎に会えなくなるとか、

…あたし、どうなっちゃうんだろ。

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