スキライ。 (ページ12)

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剛「この状況だと1人じゃ辛いだろうから
……今から、俺んち来る？」

「…うん」

健二郎と彼女さんのことを
ずっと見ていられなくて、
すぐにあの場から逃げたくて、
そのまま岩ちゃんの家に行くことになった。

…けど、

「…がん、ちゃん？」

いま、ベッドに押し倒されている状態。

「…どうしたの？」

剛「Aも、イケない子だね？」

「…どういう、こと？」

剛「いくら幼馴染でも、
男の家に行くってことは…警戒心持たないと」

「やっ…」

いつもの、岩ちゃんじゃない。

「…んっ！」

…岩ちゃんに、キスされた。
ほんとは嬉しいはずなのに、

…健二郎のことが頭に浮かんでしまう。

だんだん首筋の方に下がってきて、
チクリと痛みがした。

「…や、だっ」

…怖い、ただその一心だった。

剛「…やっぱり、健二郎さんのこと気になるんだね」

「…え？」

剛「…俺のこと、見てないでしょ、
…大丈夫、もうすぐ送るよ」

「…うん」

剛「…健二郎さんがどんな反応するのか、楽しみ」

それから暫くして、
岩ちゃんの執事さんが、
家まで送ってくれた。

帰り際に見送ってくれたとき、

岩ちゃんがなんでニヤついていたのか

…あたしは、分からなかった。