スキライ。 (ページ11)

今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:40,048 hit

１１ページ11

車から降りて、２人で歩いていた。
通りにあるカフェに近づくと、

健「もーほんまにやばかってん(笑)」

「あはは、健ちゃんらしい(笑)」

健二郎と彼女さん、の声がした。
仲良さそうに笑いあってる。
…健ちゃん、か。

あたしだって、そんな風に呼んだことないのに。

なんか、見てたら辛くなってきた…。

剛「…泣いてんの？」

「…えっ、」

…あれ、ほんとあたしどうしちゃったの。
悲しくなんて、無いはずなのに。

剛「…思ったんだけどさ、
素直にならなきゃいけないのって、
Aのほうじゃない？」

「…っ、」

剛「キツく感じるかもだけど、言ったでしょ？
昔からずっと一緒にいれば何でもわかるって」

「ん、」

でも、岩ちゃんの言う通りかもしれない。

あたし健二郎にばっかり、
一方的に素直になれって言ってたけど

素直にならなきゃいけないのは、

あたしの方かもしれない。

そう考えると、辛くなってきて
健二郎と彼女さんを見れなくなっていた。

すると、岩ちゃんに抱きしめられた。

剛「しばらく、このままで良いから」

「…がん、ちゃ…っ」

岩ちゃんの腕の中で、

あたしは暫く泣き続けた。