箱の中身は。 ページ8
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たっぷりお世話になった挙句に助手席で爆睡するという能天気をかました後に着いた場所には巨大な箱。いや箱じゃないんだけど。
上手く言えないけどなんだろうか、都会の大きめなライブハウスにビックライト当てちゃった感じ。
自分の語彙力と格闘したがこの目の前にある建造物を上手く脳内で処理できない。
福「ほらAさん、さっさと入りますよ」
「福山さん...私のCPUが処理しきれてませんよ。」
福「A本体の充電がもう切れてるからでしょうね。はい、行くよ。」
福山さんはその大きな箱のような家を囲っている柵の門を開け、私の手を引いてスタスタと入り口(と思われる場所)へ向かう。
全くもって窓が見当たらないその建物からはもはや音どころか人の気配すら感じられない。
入り口のドアをSFチックな暗証番号とカードキーで開けると急に明かりが見えて少しだけホッとした。
「えーーーー凄い、なんですか此処なんの施設ですか。あ、じゃなかった。お邪魔します！」
？「お邪魔しますじゃないでしょ。ただいまでしょ。」
「えっっっ」
福「お疲れ様です、神谷さん。福山潤ただいま姫を連れて帰還致しました。」
神「ご苦労であった。福山くん。」
「神谷さんとルームシェアしてたんですか?!でも、それで納得いきました...。この大豪邸も神谷さんと福山さんのお二人なら、うんうん
。」
神「Aはお馬鹿さんなのかな？こんな所に僕と潤の二人で住んでる訳ないでしょ(笑)」
福「起きてるの神谷さんだけですか？」
神「いや、大体起きてるよ。ていうか潤からの連絡で寝てたやつも結構起きてきた(笑)」
「すいません。私のせいで皆さんにご迷惑をおかけしてしまって。。」
神「Aのせいじゃないし、それに僕も皆も全く迷惑だなんて思ってないからね。Aが一番の被害者なんだから。」
「...神谷しゃぁぁぁん！！」
神「はいはい。(笑)本当にAは涙腺バカなんだから。とりあえずほら、リビングに皆も居るからそっち行って話すよ。」
「ふぁい(泣)」
神谷さんにはデビューの頃からお世話になっている。共演も多く普段もたまにご飯に連れていってくれていた。
そんな神谷さんの優しい声を聞いたからなのか、やっと安心できる場所に連れてきてもらったからなのか身体中の緊張が一気に解けて急にボロボロと涙が溢れてきてしまった。
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作者名：ごろぴか | 作成日時：2018年10月3日 3時
