寄せ集めの僕ら。 (ページ8)

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5話ページ8

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｢しょーくん。｣

終礼が終わって、帰る準備をしてさとしくんの教室に向かおうとしたら、さとしくんが俺の教室のドアからひょこっと顔を出していた。
さとしくんがお迎えに来てくれるなんて珍しい。浮き足立ちながら近寄ったら、ぐいっと腕を引かれた。

｢え、何さとしく…｣

｢緊急事態。すぐ帰るぞ｣

｢は？…って、え。｣

さっと見せられた携帯の画面。それはかずとじゅんからのSOSだった。

『まーくんがおそうじしだした。しきゅうきたくせよ』

…なぜこれが緊急事態なのか。それは、まさきの不器用さにある。
まさきは家事が苦手で、料理も最近ようやく朝ごはんくらいの軽いものなら作れるようになった。でもやっぱり他のことは任せられない。

そんなまさきが下手に掃除なんかし出したら、家は崩壊…

｢…帰ろう、今すぐに。｣

｢おう、走るぞ｣

慌てて家を出て、走って帰宅。ドアを開けた瞬間、ガシャーンと音が鳴った。

｢うわー！やっば、どうしよ！｣

｢まーくんのばか！そんな高いとこ届くわけないじゃん！｣

｢まさ、早くかたさないと…｣

音が鳴った方に向かえば、そこにはちびっ子3人組が。皿を割ってしまったらしく、まさはあわあわしていて、かずはぷりぷり怒り、じゅんは涙目になっていた。
全く…このおてんば3人組は。

｢こら、破片とかあるから離れときな。あとは俺がやるからね？｣

｢しょーちゃん…ごめんなさい、お手伝いしようとしただけなの…｣

ほうきとちりとりを持って、早速後片付け。その最中、まさきが俺の服を引っ張った。涙目になってる。
まさきはいい子だから、かなり気にしてるんだろうな。

｢気持ちはすげー嬉しいよ。でも次は、無理しすぎないでお手伝いしてくれたらもっと嬉しい。怪我したら怖いしさ。｣

｢うん…おれがんばる。｣

ぽんぽんと頭を撫でてやったら、嬉しそうに笑ってかずとじゅんのところに駆け寄って行った。2人にからかわれながらもにこにこ笑っているまさき。良かった、元気だしたみたい。

ダイニングにいるさとしくんの方を見たら、ふにゃ、と柔らかく笑ってた。