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「…え?あらん?」








しめの大きな黒目がいつもより見開いて
吸い込まれそうなぐらいだった







…だけど







「そう。だから」






そう言って教室を出ようとした





「待って」






そう言って右手を軽く掴まれた
しめの目はすごく○んでいて









しめに甘えたい


わたしも好きだったんだよ、って言いたい


付き合って?って言いたい


抱きつきたい









そんな感情が生まれてきて
でも、すぐ冷静になった


訳の分からないわたしのプライド








「わたしは、しめのこと、
…好きじゃないよ?」








そう言い残して掴まれてた腕を振り払って
教室を去った








しめは追いかけてこなかった









好きな人に好きじゃない、って嘘をついて
好きじゃない人に好き、って嘘をついてる






「…ううっ、」






すぐにトイレに入って
自分が泣いてることに気付くのに
時間はかからなかった







この涙は何なんだろ








自分が惨めだって涙?





あらんに申し訳ないって涙?







…ううん違う







…しめのことが好き





好きじゃない、なんて言いたくなかった







大好きなしめに、あんな顔、させたくなかった

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作者名:そら | 作成日時:2018年7月20日 22時

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