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「お前が焦って走って行くとこ見たから追っかけてきた」
「そうっすよ!見たことないくらい焦った感じだったんで心配で、、」
ははっ!わりぃわりぃ!と未だに私を抱きしめたまま話す楓士雄
「手伝うか?」
「んー、いや、いい!俺1人で十分だわ!」
「さっすが楓士雄さん!」
司に断りを入れ、周りの男達をまたあの鋭い目で睨みつける
「あっ、司!こいつ、家に帰してくんねぇかな」
「おう、わかった」
私を離して司に預けられる。
「終わったら行くから」
「うん、、」
ぽんぽんと頭を撫でてから、男達に向かって行く楓士雄。
その間に司とジャム男くんと倉庫を出た。
「それ、大丈夫か?なんか冷やすもん、、」
「大丈夫大丈夫!こんなのすぐ治るよ!それよりありがとう。送ってくれて」
司は浮かない顔をしてたけど、気づかないフリをしてそのまま、気をつけろよと一言だけ言って帰って行った。
それから何分経ったんだろう、、
もう日付は回っていて、少し眠気も出てきた
その時、ドンドンドンッとドアを叩く音がした。
今まではチャイム鳴らして!って怒っていたけど、今はドアを叩く音のほうが安心できた。絶対に楓士雄しかしないから。
「A、、」
ドアを開けると、さっきよりも傷が増えた楓士雄が抱きついてきた。
「楓士雄、、あ、あんたほんと迷惑!っ、、」
「だよな、、お前まで巻き込むなんて考えたことなかった、、悪かった、、」
違う、、そんなこと言いたいんじゃなくて、、
「ありがと、、っ、、助けにきてくれて、、」
あの男に殴られた時も涙は出なかったのに、今になって、よりによって楓士雄の目の前で、、
勝手に溢れてくる涙を楓士雄の手で拭われ、そのまま唇が重なった。
"いたっ!" "いってぇ!"
唇が触れたことで、お互いの傷にも触れてしまい同時に声を上げた
「ふふっ、真似しないでよ」
「俺もいてぇつうの!」
「あんたは喧嘩ばかなんだから慣れてるでしょ」
「まあ、そうだなっ!」
喧嘩ばかと言われても否定しない楓士雄が面白くて2人で笑い合った。
友達以上恋人未満。
今日で少し恋人に近づいた気がした。
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作者名:ysakamosan | 作成日時:2022年6月24日 23時