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休んでいた分の補習や課題を終え、一人で帰宅。
今日はオフの廻は河川敷に行ってサッカーやってると言ってたので向かう。
目的地に近づいてくると、一定のリズムでボールが壁に当たる音が聞こえてきた。
河川敷に降りて音のする方を見れば、やはり廻が高架橋の下で壁打ちをしていた。
廻がよく一人で練習をしているここは、長いこと使っているせいか、壁打ちに使っているコンクリートの壁はボールの跡で所々黒くなっていた。
『・・・。』
サッカーをする廻を見ないように、顔を下に向けた。
視線を下に向ければ、足元に生えていた名前の知らない小さな黄色い花を踏みつけていた。
なんだかそれが廻を見ているようで、静かに足を退けるが花は踏みつぶされた状態から起き上がることはなかった。
『やだな・・・。』
あんなに大好きだった廻のサッカーが、見たくない、と思う日が来るなんて。
廻が好き。廻のサッカーが好き。廻の見ていて引き込まれる自由なサッカーが好き。
サッカーが心の底から楽しいと笑う廻が大好き。
あんな風に、寂しそうにサッカーをする廻は、嫌。
発作のときよりも胸が痛く感じる。泣きたくなる。
音が止み、顔を上げれば、廻は壁に背中を預け項垂れるように座っていた。
髪でここからじゃ表情がわからない。
夕陽に反射して地面に落ちているのは汗なのか、それとも・・・。
私はようやく足を前に進めた。
廻は、この先、かいぶつと出会えるのだろうか。
廻がまた、心の底から、自由なサッカーをする日が来るのだろうか。
ねえ。
『廻。』
サッカー楽しい？
『帰ろう？』
手を差し出せば、廻は手を乗せた。
そしてなぜか少し目を見開いて、とても小さな声で私の名前を呼んだ。
「・・・帰ろ！！」
廻の手を握り、立ち上がるのを見れば、彼に抱き着いた。
驚く廻を無視して私は力いっぱい抱きしめた。
筋肉のついた体、同じ高さにあった頭はもう頭一個分も違う。声も低い。
小さなばちらくんは、もういない。
私を置いて廻は大きくなった。
『ごめんね。』
私はもう、廻のかいぶつにはなれない。
だから、廻を一人ぼっちから救ってあげられない。
けど、きっといつか、かいぶつは現れるはずだから、だからその時は置いていってね。
なんて、しがみつきながら思うことじゃないか・・・。
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続く (更新停止中)
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みかん - 更新待ってる (1月2日 17時) (
レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - 続きが気になるーー！！ (7月6日 13時) (レス) @page49 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - めっちゃ面白いです…！ (2023年1月26日 22時) (レス) @page45 id: aa1635ecd6 (このIDを非表示/違反報告)
MEI(プロフ) - 思わず涙が出そうになって必死に堪えてます…文才ありすぎでは？？これからも頑張ってください、! (2023年1月23日 22時) (レス) @page43 id: 17b5c545cd (このIDを非表示/違反報告)
みく - 面白いです！夢主しんで欲しくないなぁ〜(´・ω・｀) (2023年1月23日 7時) (レス) @page43 id: 6bb1bb04aa (このIDを非表示/違反報告)
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