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  パトラッシュを家に戻してすぐ出るはずが予想以上に時間がかかってしまった。
  それもこれも廻がパトラッシュをこれでもかと抱き着き撫でまわし、新品の制服を毛まみれにしたせいである。

 「なんかあれだね、服着た状態でコロコロかけられるの変な感じ、変な声出そう。」
 『我慢して。』

  そんなこんなで予定より大幅に遅れて学校に到着。
  すでにクラス表の前には大量の新入生たちであふれかえっていた。

 「わー、いっぱいだね。」
 『こうなるから早く来たかったのにぃ・・・。』

  人がたくさんいるところはあまり好きじゃない。
  それもあんな密集したもの、体が耐えられる気がしない。

 「蝶、荷物見てて!俺と蝶のクラス探してくる!」
 『え、あ、廻!』

  廻は荷物を私の足元に置いて人ごみの中へと潜っていった。
  すごい、ぬるぬると中へ入っていく・・・。あっという間に飲み込まれていったけど大丈夫かな廻、潰されてないかな。

 『・・・!』

  予想よりも早く廻は戻ってきた。ものすごい嬉しそうな顔でものすごい勢いでこちらに駆け寄っている。
  あ、やばいこれ。

 「やったよ蝶同クラだー!!」
 『うぎゅっ!』

  タックルのように抱き着いてきた廻。やめろただでさえ脆い体なんだ、折れる。
  ていうか、こんな大勢の前でそんな抱き着いて頬をすりすりされるとさすがに恥ずかしい。

 『めぐ、めぐる・・・放れて・・・苦しい・・・。』
 「あごめん。」

  ようやく放れた廻は私の乱れた前髪を撫でて直すと「かわい♪」と言って置いていた自分の荷物を手に取った。
  お前そういうとこやぞ。

  教室に入れば教室の中は騒がしくて、恐らく同じ中学同士の人たちで既にグループが出来つつあった。

 「あ、やった蝶の後ろの席。」
 『授業中ちょっかいかけてこないでね。』
 「えー。」
 『えーじゃない。』

  廻と雑談を続けていれば、ふとこちらに視線を向けている女生徒(ギャル)たちが目に入る。
  「やば。」「ちょっとかっこよくない?」「いやあれはカワイイ系だって。」
  と、廻に熱い視線を向けている。
  おやおや廻くん、初日からモテモテですな。
  にやける顔を抑えていれば廻が私を呼んだ。

 「自己紹介のときお嫁さんです!て言っていい?」
 『陰キャにはしんどいでやめてください。』
 「OKわかった。」



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みかん - 更新待ってる (1月2日 17時) (レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - 続きが気になるーー!! (7月6日 13時) (レス) @page49 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっちゃ面白いです…! (2023年1月26日 22時) (レス) @page45 id: aa1635ecd6 (このIDを非表示/違反報告)
MEI(プロフ) - 思わず涙が出そうになって必死に堪えてます…文才ありすぎでは??これからも頑張ってください、! (2023年1月23日 22時) (レス) @page43 id: 17b5c545cd (このIDを非表示/違反報告)
みく - 面白いです!夢主しんで欲しくないなぁ〜(´・ω・`) (2023年1月23日 7時) (レス) @page43 id: 6bb1bb04aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月8日 1時

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