青い夢を、いつかの君へ贈る (ページ42)

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　「・・・ねえ蝶。」
　『ん？』
　「なんで毎年花をくれるの？」
　『・・・だって。』

　花はいつか枯れて消えちゃうでしょ？
　廻は優しいから、私のことが大好きだから、形が残る物を贈ったらずっと大切にしてくれるでしょう？
　私がいなくなったら、捨てられなくなっちゃうじゃん。

　そんなこと、言えるわけがなくて、飲み込んだ。

　『だって、きれいでしょ？』
　「・・・。」

　廻は３本のひまわりから１本だけ抜き取り、私の髪にさした。
　突然の行動にぱちくりとすれば廻はまた眩しく笑った。

　「うん、そうだね！めっちゃくちゃきれい！！真夏の天使だ！」
　『・・・、・・・っ・・・あは、そんなセリフどこで覚えてきたの？』
　「ひっどー！人が褒めてんのに！！」

　頬をこれでもかと膨らませた廻に私は声を出して笑った。
　うるさい鼓動をかき消すように笑った。
　熱い顔と、ちょっとだけ泣きそうな顔を隠すように手で顔を隠した。

　『てゆーか、せっかくプレゼントしたのに私に渡しちゃダメでしょ。』
　「いーの。幸せのお裾分け♪」

　ブイサインする廻に、私はさらに声を出して笑った。

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