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 「ハタチまでは生きられない可能性があります。」

  目の前のお医者さんの言葉に私は首をかしげた。

 (はたち、てなに?)

  言葉の意味が理解できなくて、一緒にお話を聞いていた両親に目を向けた。
  「はたちってなぁに?」と聞いたけど、お母さんもお父さんも泣いて私を抱きしめてくれるだけで教えてはくれなかった。
  ぎゅってする力強くて痛いよお父さん。どうして二人とも泣いてるの?

 『おかーさん、どっかいたいの?おなかいたいの?よしよししてあげよーか?』

  ・・・もっと泣いちゃった。
  お医者さんに助けてくださいとお願いしたけれど、お母さんたちのこの「痛い」は私と同じで治せないみたいだ。
  でも痛いのが弱くなる薬は持っているから、あとでお母さんにあげよう。お父さんもいるかな?

  お医者さんにさよならをしてお父さんの車に乗った。

 (つまらないなぁ・・・。)

  せっかく家族みんなでお出かけなのに、病院だけでお家帰っちゃうなんて。
  水族館行きたいなぁ・・・この間の遠足で行けなかったからなぁ。

  車が信号で停まったとき、窓から公園が見えた。
  一人の男の子がサッカーをやってる。

 『ねえお父さん、サッカーてたのしい?』
 「え?あ、あー、そうだな、楽しいと思うよ。」
 『ふーん・・・。』

  公園の男の子は一人でサッカーボールを蹴っていた。
  サッカー、やったことないけど、でも、わかる。あの子はとても上手。
  だって、すごく楽しそうだもん。見ているこっちがわくわくしちゃうくらいに、すごく楽しそう。

  いいなぁ、いいなぁ・・・。
  私も一緒に・・・。

 『ぁ。』

  信号が青になって車は進み、公園の男の子が流れていく。
  道を何度か曲がって、お家についた。
  車から降りてすぐに、まだ暗い顔をするお母さんに言った。

 『ねえねえ!パトラッシュのおさんぽいっていいー?ねーいいでしょ?今日はくるしくないよ?』

  うそ、本当はちょっとだけ苦しい。
  でも私はすぐにでもあの公園に行きたかった。

 「・・・わかった、お母さんも一緒に。」
 『パトラッシュとわたしだけでいい!』
 「でも。」
 「まあ今日くらいはいいだろ、でもあまり長い時間はダメだぞ。苦しくなったらすぐに帰って・・・。」
 『いってきまーす!!』

  お父さんの話を途中に、私は愛犬パトラッシュのリードを持ってあの公園へ向かった。



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みかん - 更新待ってる (1月2日 17時) (レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - 続きが気になるーー!! (7月6日 13時) (レス) @page49 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっちゃ面白いです…! (2023年1月26日 22時) (レス) @page45 id: aa1635ecd6 (このIDを非表示/違反報告)
MEI(プロフ) - 思わず涙が出そうになって必死に堪えてます…文才ありすぎでは??これからも頑張ってください、! (2023年1月23日 22時) (レス) @page43 id: 17b5c545cd (このIDを非表示/違反報告)
みく - 面白いです!夢主しんで欲しくないなぁ〜(´・ω・`) (2023年1月23日 7時) (レス) @page43 id: 6bb1bb04aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月8日 1時

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