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  陸にいる皆の姿が豆粒くらいに小さくなる。
  船の最後部で大樹くんはまだ大きく手を振っていた。

 「あはは、また握手会がはじまってたね。」
 「今回は司さんも加わってたから前回以上に出航に時間がかかったわね。」
 『ご、ごめん・・・。』
 「人望が厚いのも大変だ。」

  羽京くんが同情を込めた目で笑顔を向けた。
  もう一度本土の方を見れば、もう影となって消えかけていた。

  羽京くんはソナーの仕事に戻り、南ちゃんもやることがあるとどこかへ行ってしまった。
  私は怪我人や病人が出ない限り基本暇なので他の子の仕事を手伝おうとあたりを見回す。
  が、本日は快晴であり、手伝いが必要なほどの仕事は見当たらない。
  温室の手入れも出発前にすませちゃったしなぁ。

 「あ!聖、暇でしょ手伝って。」

  一度は離れた南ちゃんが両手にあるものを持って戻ってきた。
  それは小さな土台に木の筒に黒く光るウルシが塗られたもので、それの表面を掘るためか、針が取り付けられていた。
  そして装置に繋げられた一つのマイク。

 『もしかして、ボイスレコーダー?』
 「そう!カセキおじいちゃんに作ってもらったの!これでこの旅の記録をしていこうと思って!」
 『あはは、南ちゃんも段々と仕事道具取り戻してきたね。』
 「これから皆に意気込みを聞きに行こうと思って、てことでこれ持っててくれる?」
 『いいよ、楽しそうだし。』

  ボイスレコーダーを受け取り、さっそく針を筒にあてた。

 「録音・・・できてるかな?」
 『多分。』

  南ちゃんがマイクに声を通せばそれに合わせて筒の表面が針で削れた。
  うん、ちゃんと録音できてるっぽい。
  私が手でOKサインを出せば南ちゃんは一度咳払いしてからマイクを持って喋り出す。

 「えー、記者の北東西南です。この記録を後世に残します。
  私たちはいよいよ全人類石化の謎に迫ります!目指すは敵の本拠地、月!!!

  石器レベルから宇宙船を作ろうというこのビッグプロジェクト、世界中から素材を集めにいざアメリカ大陸へ!!」

  さすが記者、出だしが完璧。
  南ちゃんはこちらに向かって喋っているのでまるで私が彼女のカメラマンになった気分だ。




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西羽(プロフ) - 更新ありがとうございます! ヒョが優しい…だと…?!(笑) 次回も楽しみにしてます♪ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 3a99c04527 (このIDを非表示/違反報告)
西羽(プロフ) - この作品がとても好きで、少しでも時間を見つけては読み進めて一気に読み終わっちゃいました! 冗談や過言でなく最近の私の支えになってます、番外編もまた是非読みたいです。お忙しいかと思いますが応援してます、更新を楽しみにしてます。 (2021年6月1日 21時) (レス) id: 3a99c04527 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - この話面白くていつも読んでます!弥さんのペースで頑張って下さい!続き楽しみにしてます! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 続編おめでとうございます。スランプ‥‥私が言えたことじゃないですが、大変ですね‥‥どうか無理をせず、弥さんのペースで書いてください。応援しています! (2021年4月25日 0時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年4月25日 0時

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