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日が昇った。
あたりに光が差し込み、暗く不気味な森も姿を消した。
一先ず、暗闇に紛れての奇襲はなさそう。
ラボカーを見れば昨晩の銃痕がはっきりと残っていた。
「つまり地球の裏側にもう一人の千空みたいな科学使いがいて、自力復活したってことかー!?」
「ククク、んなもん俺の特権でもなんでもねえだろが、科学知識なんざ世界中垂れ流しだぞ。好きで読んでりゃ済む話だ。」
「千空ちゃんみたく石斧からコツコツ作ってマシンガンまで辿り着いちゃったってこと??
好きだけでできるレベルと違うでしょ・・・。」
「接触してみるまで結局は予想の域を出ないけどね。
今ハッキリしてるのは自力復活者らしき科学者がいるってこと、それと。」
『私たちより、少しだけ科学が進んでるってこと・・・だね。
少なくとも軍備に関しては、私達よりも遥かに上だ。』
「フゥン、そして何より、俺たちを殺る気満々だということだ・・・!!」
羽京くんの動きが止まった。
何かを聞きとったのだろう。
しかしそれは決していいものではないようで・・・羽京くんの顔はみるみる内に険しくなっていく。
「・・・エンジン、音?後ろから・・・。」
『!?』
「追っ手か!!」
「いや、私の視力でずっと警戒しているが、今のところ船の気配もないな。
このスピードで朝まで引き離したのだ。そうそう追いつけはしないはずと思うが・・・。」
羽京くんは外に顔を出し、空を見上げた。
「違う。この音は・・・。」
羽京くんが聞き取ったエンジン音は私たちの耳にも届いた。
そして、空を見上げる。
「・・・!」
『ぅ、うそ、でしょ・・・。』
遥か上空から見える小さな黒い物体。
それは轟音と共に徐々に大きくなっていき、私達の目の前に迫りくる。
飛行機だ。
敵は私たちの科学よりも少し進んでいる。そう思ってはいたけれど、これは予想外だ。
『千空くん!・・・千空くん!!』
飛行機を見て呆ける彼の肩を揺らし呼びかける。
「千空!!どうする手を振って挨拶してみるか!?」
「とりま白旗しかないんじゃないのこれ、ワンチャン友好的に話せたり・・・。」
「ハ!出会って一秒で乱射してくる相手とか?」
「残念だけど、攻撃する気がなければあんな危険な低空飛行はしないよ!」
「はっはー飛ばすぞ!皆掴まれ!前進全速!!」
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西羽(プロフ) - 更新ありがとうございます! ヒョが優しい…だと…?!(笑) 次回も楽しみにしてます♪ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 3a99c04527 (このIDを非表示/違反報告)
西羽(プロフ) - この作品がとても好きで、少しでも時間を見つけては読み進めて一気に読み終わっちゃいました! 冗談や過言でなく最近の私の支えになってます、番外編もまた是非読みたいです。お忙しいかと思いますが応援してます、更新を楽しみにしてます。 (2021年6月1日 21時) (レス) id: 3a99c04527 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - この話面白くていつも読んでます!弥さんのペースで頑張って下さい!続き楽しみにしてます! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 続編おめでとうございます。スランプ‥‥私が言えたことじゃないですが、大変ですね‥‥どうか無理をせず、弥さんのペースで書いてください。応援しています! (2021年4月25日 0時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
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