209 ページ30
・
船は暫く、龍水くんのカンで進んでいた。
不安はあるけれどここは彼の経験と腕に頼るしかない。
『3人共どうしたの?』
クロムくん、スイカちゃん、コハクちゃんがラボのある部屋から出て来た。
「クロムがなんか閃いてくれたんだよ!これから外に出て実験するんだよ。」
『?』
彼らについていき外に出れば、まだ重たい雲が空を覆っているものの雨は止んでいた。
クロムくんは持っていた棒を空に向けた。先端には四角い枠に収まった半透明な石があり、それにはロケットを模したマークが2つあった。
「すかして見たマークがよ、2つに見えてんだろ?こっちらへんが太陽か?」
クロムくんが棒を太陽があると思われる位置に動かした。
「曇っててちっとも見えないんだよ・・・?」
「おぅそれで構わねえ。太陽の方にこう、イイ感じの!角度で向けるとだ・・・。」
2つのマークは両方とも光加減が違う、しかしクロムくんが少しずつ位置を調整することにより、そのマークの光加減が徐々に揃い・・・。
「見ろ揃った!!2つのマークの濃さがピッタシ同じになる!!なんでこうなんのかは知らねえがな。」
「!!!つまり・・・。」
「おぅよ!この石の示す先に見えねえはずの太陽がある・・・!!」
『それ、って・・・。』
クロムくんから棒を受け取り、先端についていた石を見る。
石を手に取り、それを通してクロムくんたちを見れば二重に歪んだ。
間違いない、方解石だ。
スイカちゃんが中にいた千空くんたちを連れて来た。
持っていた石を千空くんに見せれば、やはり方解石で間違いないみたいだ。
「ほーかいせき?てなんなんだよ?」
『天然のプリズムだよ。光を分解して2つに見せてくれる石。』
「それが揃うと太陽の光の向きってこと・・・?」
「あ゛ーザックリ言やそうだ。」
「フゥン、方解石か、聞いたことはあるな。
海底に沈んでいたヴァイキング船を調査するとなぜかやたらと方解石が出てくる。
なぜヴァイキングたちはそんなものを運んでいたのか?ずっと謎だったわけだ!」
「今となってはわからないけど、もしかしたら魔法でも伝説でもなくて、本当にあったのかもしれないね、『太陽の石』は。」
「はっはー!そうだそして4000年の時を超えてヴァイキングたちと同じように俺たちもアメリカ大陸へと舵を切る。
揺らがぬ同じ、科学の力で・・・!!!」
・
284人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Dr.STONE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
西羽(プロフ) - 更新ありがとうございます! ヒョが優しい…だと…?!(笑) 次回も楽しみにしてます♪ (2021年6月7日 16時) (レス) id: 3a99c04527 (このIDを非表示/違反報告)
西羽(プロフ) - この作品がとても好きで、少しでも時間を見つけては読み進めて一気に読み終わっちゃいました! 冗談や過言でなく最近の私の支えになってます、番外編もまた是非読みたいです。お忙しいかと思いますが応援してます、更新を楽しみにしてます。 (2021年6月1日 21時) (レス) id: 3a99c04527 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - この話面白くていつも読んでます!弥さんのペースで頑張って下さい!続き楽しみにしてます! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 続編おめでとうございます。スランプ‥‥私が言えたことじゃないですが、大変ですね‥‥どうか無理をせず、弥さんのペースで書いてください。応援しています! (2021年4月25日 0時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ