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毒島さんが学校を休み続けて一週間が経った。
あの日、彼女が置いていった荷物を家に届けに行けば、出てきたのは家政婦さんで毒島さんとその両親はまだ帰ってきていなかった。
結局、あの後弟くんはどうなったのだろう。無事だといいんだけど。
そんなことを考えながらいつものように教室に入った。相変わらず朝の教室は騒がしい。
(・・・今日も、かな。)
僕の左隣の席はまだ無人だ。
友人に短く挨拶を交わし席につく。カバンから教科書類を取りだしていると教室が一瞬だけ静かになる。
気になって顔をあげれば皆同じ方向に目を向けていて、僕はその目線の先を辿った。
「・・・毒島さん。」
彼女が教室の出入口に立っていた。そしていつものように自分の席についた。
『おはよう西園寺くん。』
「おは、よう・・・。」
いつものように、天使の笑みを浮かべ話しかけてきてくれた彼女。
そのいつも通りの彼女に皆は安堵の息を漏らし彼女の周りを囲む。
おはよう。心配したよ。
皆がたくさんの心配の声を毒島さんに浴びせていく。
毒島さんは「ごめんね、心配してくれてありがとう。」と微笑みながら答えた。
いつもどおりの毒島さんだった。いつもどおりの、笑顔だった。
でも、ああ・・・。
「毒島さん。」
『ん？』
予冷が鳴り、皆が席に戻ったところで僕は彼女に声をかけた。
「・・・大丈夫？」
『大丈夫だよ。』
毒島さんは優しい声で答える。
その声が、鋭いナイフのようになって僕の心を突き刺した。
だって、こんなにも、いつものように笑っているのに。
彼女の声は泣いていた。
声が微かに震えていて、いつもよりも掠れていて・・・喉を傷めてしまうくらいに今までずっと泣いていたのだと分かる。
それだけで全てを察した。
『ど、どうしたの西園寺くん・・・！？』
毒島さんが僕の顔を見て慌てだす。
そりゃあそうだろう、突然泣かれてしまえば誰だって驚く。
突然泣き出してしまった僕に皆の視線が集まるのがわかる。それに恥ずかしさを感じてしまうが、そんなことよりも今は悲しみの方が大きかった。
「ごめん・・・っ。」
『・・・、・・・っ・・・。』
毒島さんは一度喉の奥を震わせ、こぼれ出そうになった感情を無理矢理飲み込み、笑った。
『・・・西園寺くんは、優しいね。』
それは君の方じゃないか。
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まっちゃ(プロフ) - コメント失礼します！ネタバレになってしまうので内容は書けませんが、番外編、とても面白いです！これからも弥さんの無理のならない範囲で、更新頑張ってください！影ながらも応援しています！ (2021年4月18日 1時) (
レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
弥(プロフ) - わわわわわさん» 申し訳ありません。番外編のリクエストは受けつけていないんです。また番外編を書く機会があればぜひ書かせていただきます。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 28d3fee7a9 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - 番外編のリクエストです。耳攻めされたと羽京がドS化したお願いします。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
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