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龍水くんたちの後を追って辿り着いたのは司帝国跡地のシンボルである岩山のてっぺんに建てられた電波塔だった。
塔の下から龍水くんたちの会話を聞く。
「龍水、君はね、司さんと混ぜるな危険だから相性最悪すぎるから!!」
「あ〜龍水ちゃん完っっ全に旧世界の既得権益者だもんね。」
「そういうのが大っっ嫌いなんだから司さん!!私だってね、君のこともともと・・・。」
そこで南ちゃんの声は一度途切れた。
「・・・、・・・ううん、ウワサなんかよりは、性格アレな感じじゃなかったけど・・・。」
「はっはー!!無駄だな、貴様がどれだけ俺を大嫌いであろうと俺は貴様が大好きだ!!」
『きゃ。』
ま、まさかの告白!!?
え?え?えええ??龍水くんって南ちゃんのこと・・・??全然気づかなかったぁー!!
と、一人で興奮していたのも束の間。
「俺は全ての女が大好きだ!当然貴様もだ!!男もな!!全員欲しい!!当然司もだ!!!」
ああ・・・そういうことね・・・。
今のは愛の告白でもなんでもなく、龍水くんのいつもの強欲な欲しがり発言だった。
「み、みんながお金で支配できるわけじゃ・・・。」
「金は文明の作り出した便利な道具にすぎん。
金は人を支配するためのものじゃあない、意志をまとめるためのものだ。皆の力を合わせることができる、それこそが人類が最強たる所以だ、違うか!?」
『・・・。』
私の隣で同じように話を聞いていた彼を見上げた。
彼は、司くんは・・・ただ優しく微笑んでいた。
『・・・その、今のでわかったかもだけど・・・龍水くんのこと、司くんが知っているような悪いお金持ちじゃ・・・。』
「わかっている、うん・・・彼のような人間ともっと早く出会っていれば・・・俺の価値観も少しは変わっていたのかもしれない・・・。」
『・・・司くんはまだ子供だもん。
君はこれからたくさんの人と関わって世界を知って、成長して大人になるんだよ。』
司くんはぱちくりと私を見た。
「・・・まさか、この齢で子供扱いされるとは思っていなかったよ。」
『私からしたら君は子供だよ。ごめんね、子供扱いは嫌だったかな?』
「いや、そういう扱いをされた経験は、うん、あまり記憶になくてね・・・でも嫌と言うわけではないんだ・・・。」
『ふふ、頭撫でてあげようか?』
「羽京に怒られるから遠慮するよ。」
『あはは。』
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まっちゃ(プロフ) - コメント失礼します!ネタバレになってしまうので内容は書けませんが、番外編、とても面白いです!これからも弥さんの無理のならない範囲で、更新頑張ってください!影ながらも応援しています! (2021年4月18日 1時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
弥(プロフ) - わわわわわさん» 申し訳ありません。番外編のリクエストは受けつけていないんです。また番外編を書く機会があればぜひ書かせていただきます。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 28d3fee7a9 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - 番外編のリクエストです。耳攻めされたと羽京がドS化したお願いします。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
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