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復活したキリサメにひと通りの状況を説明した。
彼女は暫く茫然とし、そして私を見た。
「・・・何が聞きたいの、私を優先的に起こした理由があるんでしょ。」
『それは・・・。』
「後宮の石像、テメーならどこに捨てたか知ってんだろ。」
「・・・。」
キリサメは素直に私たちにコハクちゃんと銀狼くんの居場所に案内してくれた。
後宮までの静かな道のり、意外にもキリサメが私に話しかけてきた。
「あなた・・・拷問で相当ひどいケガを負っていたはずだけど・・・。」
『あぁ、石化から復活する時はあらゆる外傷が治るの。』
「そう・・・。」
キリサメは何か考える素振りをして、再び口を開いた。
「・・・あなたの言う通りだったわ。」
『ぇ。』
「情けないわね・・・頭首様への忠誠は誰にも負けないものだと思っていたのに・・・大切な主の危機に、20年間も・・・、・・・。」
『・・・まだ、君には挽回できるチャンスがあるよ。』
「?」
首をかしげるキリサメ。私は前方を歩くソユーズくんに目を向けた。
頭首はもう復活できない。だけど、この島のミライが潰えたわけではない。
『君の忠誠が本物なら、自分がするべきこと、わかるよね。』
「・・・ええ。」
キリサメは頷き、そしてソユーズくんの背中をまっすぐとみつめた。
暫くして、コハクちゃんと銀狼くんの石像を見つける。
銀狼くんの姿に、兄である金狼くんが拳を強く握り目をそらした。
まず初めにコハクちゃんを復活させた。
「ハ!かならずやり遂げてくれると信じていたぞ、聖、アマリリス!」
『コハクちゃん・・・。』
「よかった・・・!!」
私とアマリリスちゃんで彼女を強く抱きしめた。
コハクちゃんは少し戸惑いつつも手を回し私たちを抱きしめる。
「・・・銀狼は。」
『これから・・・。』
銀狼くんに目を向ける。
彼が着ていたドレスは血に濡れた部分が石化してしまったため、一度脱がしいつもの服を着せてあげた。
その際に彼の傷口を見る。臓器まで貫かれているのがよくわかった。
『・・・。』
復活液を持つ手が震えた。
もし、これをかけても、復活しなかったら・・・。
「一か八かの賭けだったことに変わりはないのだ!この銀狼の傷、本当に治るのか?」
「ククク、復活液の修復力なめんじゃねえぞ。」
『・・・かけるよ。』
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まっちゃ(プロフ) - コメント失礼します!ネタバレになってしまうので内容は書けませんが、番外編、とても面白いです!これからも弥さんの無理のならない範囲で、更新頑張ってください!影ながらも応援しています! (2021年4月18日 1時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
弥(プロフ) - わわわわわさん» 申し訳ありません。番外編のリクエストは受けつけていないんです。また番外編を書く機会があればぜひ書かせていただきます。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 28d3fee7a9 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - 番外編のリクエストです。耳攻めされたと羽京がドS化したお願いします。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
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