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ゲンくんが皆のやる気を引き出すためにいつものようにペラペラの口を動かしていく。
その光景を司くんは静かに眺めていた。
「ゲン、君が裏切って、うん・・・俺の最大の間違いは君を復活させたこと、そう思っていたけれど・・・。
君がいてくれて、本当に良かった。」
それは司くんの本心。
ゲンくんが戦化粧を提案したのも、司くんに後ろめたい罪の意識を感じさせないための優しい気遣いだったということを、彼はちゃんと気付いていた。
「俺はホラ、一人じゃな〜んにもできないから、人の力でどうにかしちゃお♪っていうただのコウモリ男よ。」
ゲンくんの言葉に反応したのは次の航海のためにパン作りに勤しんでいるフランソワさんだった。
「一人でできることなど所詮たかがしれています。」
「ええ〜なんでもできちゃうフランソワちゃんがそれ言う??」
「人の力をまとめる、それこそ重要ではありませんか。」
竈門から焼き立てのパンが出てきた途端、あたりを美味しい匂いが支配した。
「ヤベーいい匂いすぎる!!」
「長もちパンのシュトーレン、スッゴいいっぱいなんだよ・・・!!」
「今度の航海は世界中だからな、規模が違うぞ。」
『少なくとも数十日だね。』
皆が忙しなく船に荷物を運んでいく。
「素材も大量に要る。とっとと積み込むぞ。ソッコーで出航しなきゃなんねえんだ。」
「なんでそんな急いでんのぉ、せっかく戻ってきたのにぃい。」
「冬になったら寒いからってコト?」
『それもなくはないけど・・・千空くんが気にしているのは別の問題だと思うな。』
プラチナをゲットして硝酸を作れるようになった私達。
これから世界中の人を復活できるようになったわけだけど、復活液に必要なのは硝酸だけではない。
もう一つの材料を大量にゲットするために、私達は急がなくてはいけないのだ。
『私もぼーっとしていられないね。ほら司くん!健康診断のお時間です!診療所に今すぐ来て。』
「石化から復活したから健康そのものだよ?」
『それでも一応ね。石化しても致命傷の後遺症とかがないのは銀狼くんで実証済みだけどコールドスリープなんて規格外の状態からの復活、まあ何もないとは思うけど万が一があったら大変でしょ?』
「・・・うん、わかった。すぐにいくよ。」
「あ!私もいくー!!」
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まっちゃ(プロフ) - コメント失礼します!ネタバレになってしまうので内容は書けませんが、番外編、とても面白いです!これからも弥さんの無理のならない範囲で、更新頑張ってください!影ながらも応援しています! (2021年4月18日 1時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
弥(プロフ) - わわわわわさん» 申し訳ありません。番外編のリクエストは受けつけていないんです。また番外編を書く機会があればぜひ書かせていただきます。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 28d3fee7a9 (このIDを非表示/違反報告)
わわわわわ - 番外編のリクエストです。耳攻めされたと羽京がドS化したお願いします。 (2021年4月17日 22時) (レス) id: 9c9d4f1707 (このIDを非表示/違反報告)
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