毒にも薬にもなれない６

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　 とうとう出航の時がやってきた。

　『元気でねアマリリスちゃん。』
　「聖もね！あんま無茶しないでよ、コハクちゃんも！」
　「ハ！わかっているさ。」
　「・・・また会えるといいわね。」

　 アマリリスちゃんは目に涙を浮かべていた。寂しがってくれているんだ、かわいいなぁ。
　 宝島に新しく建てられた電波塔を見上げた。

　『私達には電波という武器がある。どれだけ離れていようと私達は科学の波で繋がっているんだから・・・今生の別れじゃないよ・・・絶対にまた、会いに行くよ。』




　 船に乗り、遠くなる宝島。
　 島民の皆の姿が見えなくなるまで私達は手を振っていた。

　(ばいばい・・・リリアン。)

　 後ろで千空くんが楽しげな声を発した。

　「さァ〜て宝島でプラチナゲットした今となっちゃ復活液ジャブジャブ作れんだ。人もモノも世界中からかき集めて・・・。」
　「欲しい！！造るぞ科学王国で月面ツアー行き豪華客船、美しい宇宙の船をな・・・！！！」
　「オホホ、ワシこんだけ船造って来たけどさすがに想像すらサッパリよ、おっきいのかちっちゃいのかも・・・。」
　「気球みてえなもんか？」
　「サイズ感は近いかもね、百夜さんたちの乗ってた宇宙船ソユーズも３人乗りだし。」
　『やっぱりせいぜいが数人だよね・・・誰を乗せるの？』
　「パイロットは一人乗せるとして・・・。」

　 パイロットの言葉にいち早く反応した龍水くん。まあパイロットの適任者は彼しかいないだろう。

　「科学使い乗せねえと行く意味がねえ、ロケット完成時点で一番科学に強ぇ奴だな。」
　『いや、それ千空くんしかいないのでは・・・。』
　「そこすら断言しないの千空ちゃんぽいね・・・。」
　「あとは実働部隊かな、動ける人員が欲しい。月で戦闘は考えたくないシナリオだけど、ホワイマンがどんな存在かも分からないんだ。」

　 羽京くんの言葉に腕に自信があるマグマくんたちが名乗り出た。

　「ムハハハとにかく一番強ぇ奴ってことだな！分かりやすいじゃねえか！どう決める、また御前試合か！？」
　「んなもん、楽しい天下一武闘会開くまでもねえ、最強なら、とっくにいんだろが」
　『！』

　 最強。

　『そうだね、私達には。』

　 彼がいる。

　「ククク俺等科学王国は宝島でこのDr.STONEをゲットした！！

　 コールドスリープから叩き起こすぞ、霊長類最強の高校生、獅子王司をな・・・！！！」



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