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『ええ、サヨナラね。』
「へ・・・？？？」
イバラが高々と上げる石化武器、それには耳飾りが取り付けられていた。
龍水くんが考えなしに石化光線に突っ込むわけがない、彼は次の一手を私たちに繋げたのだ。
『あなたの言う通りよ・・・自分が賢いと思っている人ほどハメられる。』
言ったでしょう、お前は必ず報いを受けると。
千空くんが手に持っていた受話器に声を放った。
それはこの永い闘いを終わらせる呪文のようだった。
「５ｍ１second」
イバラの叫びが風切り音よりも大きくこの場に轟く。
やがてイバラの叫びは消え、硬く固まった大きな体は大きな音を立てて地面に倒れた。
千空くんは石化したイバラが持っていた石化武器を取り上げた。そして勝利の雄叫びを轟かせた。
『おわった・・・。』
膝をつく。一気に肩の力が抜けた。
やっと終わったのだ・・・私達の闘いも、この島の呪縛も。
そして、なにより・・・石化武器を手に入れた。
これで、これで司くんを復活できる！！
『・・・！』
顔をあげると千空くんがいなくなっていた。
彼を探すため立ち上がり、辿ってきた道を戻る。
前方からベルの音がした。千空くんが背負っていた携帯電話の着信音だ。
≪そちらは大丈夫ですか？千空さん。≫
聞こえてきたのはルリちゃんの声だった。彼女からの連絡は携帯電話の電池切れが近いせいかそれ以上は聞こえなかった。
千空くんの後ろ姿が見えた。
私を横目で確認した千空くん。どこか遠い目をしている気がした。
『どうかしたの？』
「いや、今度は一人じゃねえって思っただけだ。」
『・・・。』
千空くんは、人類が石化した世界でただ一人復活し、一人でこの世界を生きてきた経験がある。
この島の現状になにか思い出す感情があったのだろう。
そりゃそうだ。独りぼっちが好きな人間なんていない。
「おわ！？」
千空くんの頭を少し乱暴に撫でた。意外とふかっとしてるのね、この髪。
『えらいね、千空くん。』
「・・・いくつだと思ってんだキモチワリー。」
といいつつも私の撫でる手を振り払おうとはしない。振り払う気力がないのか、それとも・・・。
「さぁて、聖先生は石化修復能力のおかげで傷も完治して絶好調になったわけだ、ククク今から馬車馬の如く働きまくってもらうぜ。」
『あはは、がんばります。』
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柊渚(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！ (2021年4月5日 22時) (
レス) id: ebf2823d1c (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - この作品大好きです！応援しています！ (2021年3月30日 17時) (レス) id: cf49d2eead (このIDを非表示/違反報告)
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