236 ページ37
・
ペルセウスが見える海崖まで辿り着いた。
千空くんたちがうまいこと暴れ回ってくれているおかげか、島民や戦士たちがペルセウスからボートでこちらに逃げてくるのが見える。
望遠鏡でペルセウスの様子を見た。
『!?船上で闘ってるのってモズと・・・氷月くん!?』
「なにぃいい!!?」
「ひょ氷月復活しちゃったんだよ!!?」
「ここで千空くん切り札だしちゃったんだ・・・!」
でも確かに、あの陽動メンバーじゃモズに敵う相手は彼しかいない。
氷月くんが今どんな考えで闘ってくれているかはわからない、モズが倒されたとしてまた暴れてしまったら私達に止める術は・・・、いや、今はそんなことどうでもいい。
今は自分達の役目を全うしなければ!!
『大樹くん・・・!!君の声で皆に頭首のことを伝えて!』
「ああ!!」
大樹くんは前に出て大きく息を吸った。ソユーズくんも前に出て頭首を持ち上げる。
次の瞬間、大樹くんの強烈な叫び声が島全体に響き渡った。
「うおおおおおお見ろみんなー!!!頭首は!!!石像だー!!!」
耳がキーンとする。
すぐそばで聞くものじゃないな彼のこの声は・・・羽京くん耳大丈夫かな。
大きな叫び声を発した大樹くんに島民や戦士たち、ペルセウスにいるイバラやキリサメも釘付けになっていた。
「こここれならみんなにだって聞こえるんだよー!!」
「頼もし・・・。」
「でも疑うかも、もっと近くで証拠見せないと!」
『そうだね、海岸まで頭首を・・・。』
頭首のほうを向いた時だった。視界の端であの絶望の光が見えた。
『!!!!』
光の方をすぐに振り向けば、イバラとキリサメがいた位置に小さな球体の輝きが見えた。
イバラの目の前でキリサメが石化していくのが見えた。
キリサメはあの中で誰よりも頭首に忠実だった。
きっと今の大樹くんの知らせで気付いて・・・頭首が石像だと知ってしまって石化されたのかもしれない。
だとすれば・・・次の狙いは。
『ぃ、イバラがこっちに来るかも!!』
「!すぐにここから離れよう!!頭首はどこか安全なところに隠して!」
ソユーズくんが頭首を抱え私達は走り出す。少しでもイバラから逃げなければ。
頭首はどこに隠そう、ここまで来る道のりでそんな場所は・・・。
頭首の隠し場所を考えていた刹那。
『!?』
銃声がした。
・
301人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊渚(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!! (2021年4月5日 22時) (レス) id: ebf2823d1c (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - この作品大好きです!応援しています! (2021年3月30日 17時) (レス) id: cf49d2eead (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ