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  投げられた石化装置を見る。

 (おかしい。)

  まず感じた違和感はそれだ。なにがおかしい?感覚に頼ったって仕方がない、科学的に考えなさい。
  キリサメが投げた弾道を計算する。おおよその投射角、時速、装置の重さや空気抵抗。
  目に見えた情報を全て瞬時に計算し、石化装置の着地地点を割り出す。

  そして感じた違和感の正体を突き止めた。

 (石化装置の着地地点は私たちと敵陣営のちょうど真ん中あたり。)

  つまりこの弾道ではどこでどう光らせても球体の光に私達だけを収めるのは不可能、必ずモズ含め自分の仲間も石化させてしまう。
  キリサメの投擲技術は知っている。だからこそあの正確無比な投擲技術を持つ彼女がミスなんて起こすわけがない!!

  つまり最初から、この石化装置は・・・。

 『偽物(フェイク)!!!!』
 「全員全速力飛び込めラボに!!!」

  同タイミングで同じような計算をしていたであろう千空くんが皆に指示を出した。
  すぐさま私達はラボカーに向かって走り出す。ラボカーも私達が追いつけるスピードで走り出した。

  作戦が敵にバレた?モズが情報をもらした?いや、そんなはずはない。
  考えられるのはイバラだ。どこかでモズが私たちと内通していることに気付いていたんだ・・・!

  後ろを振り返る、モズがこちらに迫ってきていた。
  千空くんやクロムくん、金狼くんがラボカーに乗り込む、続いてアマリリスちゃんと杠ちゃんも乗り込めた。

 『っ・・・!』

  傷口が痛み、走るスピードが落ちかける。

 「聖!!」

  羽京くんが私に手を伸ばす。残るは私だけだ。
  痛む体に鞭を打ち足の回転を上げ、手を伸ばす。
  あと少し、あと少し・・・!!
  羽京くんが私の手を掴み、勢いよく引っ張った。

 『きゃ!!』
 「うわ!」

  引っ張られた勢いで羽京くんと一緒に倒れる。すぐに立ち上がる気力もなく、彼の上で呼吸を整えた。

 『はぁっはぁっはぁっ・・・。』
 「大丈夫聖!?傷は!」
 『だ、だい、はぁはぁ・・・だい、じょぅぶ・・・。』

  中を見回せばフード戦士隊のメンバーは全員無事乗り込めたようだ。




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柊渚(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!! (2021年4月5日 22時) (レス) id: ebf2823d1c (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - この作品大好きです!応援しています! (2021年3月30日 17時) (レス) id: cf49d2eead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年3月30日 1時

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