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 「コハクちゃん、何言って・・・。」
 「時間が無い、情報だけ伝える。二人は皆のいる洞窟へこの情報を伝えてくれ。」

  敵の大量の足音が近づいてくる。
  このままじゃ皆捕まってしまう・・・!

 「まず、銀狼は石像の頭首の姿を見た。その石像はソユーズの顔にそっくりだったと言う。」
 『っ!』

  頭首が、石像!?

 「敵のボスは恐らくイバラだ。頭首が石化していることを仲間にも隠していると見た。
  だからその情報を利用して、今から私達は石化する。

  石化すれば、銀狼は助かる。そうだな聖。」
 『っ・・・ええ!きっと!確実に!!』

  私が頷けば、コハクちゃんは微笑んだ。

 「二人とも、後は託したぞ。」

  敵がすぐ後ろに迫ってきた。
  コハクちゃんは一瞬にして大木を昇り、頭首の根城のてっぺんに立つ。
  そして、叫んだ。

 「聞け皆の者!!君たちの頭首は・・・!!!!」

  コハクちゃんの叫びに一番に動揺したのはイバラだった。すぐさま戦士たちに言葉をかける。

 「皆〜ダメよ曲者の妄言にまどわされちゃ、頭首様のお力が来るからネ、目開けちゃダメよ!もろとも石化しちゃうからネ!!」

  イバラの言葉に全員目元を手で覆った。

  目を開けるなんてそんなの関係無い。皆に石化武器を見せないために・・・。
  手で目元を覆うふりをしながら、まわりの様子を見た。
  キリサメが石化武器をコハクちゃんたちに向かって投げたのがわかった。

 『・・・っ。』

  絶望の光が放たれる。
  だけど、どうか・・・今だけ、この絶望の光が、希望の光になってくれますように。

 『・・・!』

  キリサメが投げたあの位置・・・。

 「聖・・・!」
 『!』

  石化武器が発動している間敵は皆目を閉じている。
  逃げられるのは今の内だ。

 (コハクちゃんと銀狼くんが命懸けで託してくれた情報、絶対に持ち帰る!!)

  洞窟に向かって走っていれば、後ろで石化光線が消えたのがわかる。
  そしてざわつく声も。

 「おいここにいた女共はどうした!!」
 「逃げたぞ!!探せ!!」

  後ろを見れば複数の松明がこちらに向かってきているのが分かる。徐々に距離も縮まる。

 (このまま逃げ続けていたら、敵に隠れ場所を教えてしまう・・・!)

  二人まとめて捕まってしまえば、全て無駄になる。
  前を走るアマリリスちゃんを見た。

  私が、守る・・・!!


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柊渚(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!! (2021年4月5日 22時) (レス) id: ebf2823d1c (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - この作品大好きです!応援しています! (2021年3月30日 17時) (レス) id: cf49d2eead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年3月30日 1時

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