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鞭の音が小さな牢の中で鳴り響く。
『っ・・・。』
血が牢の壁に飛び散るのが見えた。
痛い、痛い痛い・・・っ。
「意外としぶといね聖ちゃん。おじちゃんそろそろ疲れてきちゃったよ。」
『・・・。』
「イバラ様。」
ずっと牢の出口に立っていたキリサメが口を開いた。
「これだけ痛めつけても情報を出さないのであればこれ以上は無駄かと。もう処分してしまってもよろしいのでは。」
「なあにキリサメちゃん、まさか意見してるの？
この拷問はね、頭首様のご命令なの、必ず敵の根城を聞き出せっていうね。」
頭首様の、ご命令・・・。
『ふふ。』
「！」
イバラの言葉に思わず笑いをこぼしてしまった。
『頭首様のご命令・・・？本当に？』
「何が言いたいのかな聖ちゃん。」
『イバラ・・・あなたは最低でクズな卑怯者ね。私はとっくに気付いている、この島で今何が起きているか、あなたがなにをしているか。』
私はキリサメを見た。心の底から哀れむ目で。
『かわいそうに・・・。何も知らないなんて・・・。』
「・・・？」
「・・・。」
キリサメは首をかしげ、イバラは私を睨む。
コハクちゃんと銀狼くんが石化されるとき、私は見た。
あの時、石化光線は二人の上から降り注ぐように放たれていた。頭首を石化光線から避けるように。
それだけで、敵の内情は一瞬で理解した。
キリサメは頭首が石像だと知らない。黒幕は間違いなくイバラだ。
イバラは石化武器を好き勝手に使ってこの島を支配している。全ての罪を頭首になすりつけ、石化しているのをいいことに自分勝手な欲望をぶちまけている。
頭首が石像だとバレれば石化させればいい。殺せばいい。銀狼くんのように。
『・・・イバラ、あなたは人の命をなんだと思ってるの。』
「？」
『今まで、一度でも、あなたの理不尽で石化させられた人の気持ち、考えたことあるの。』
「ないよ、罪人の気持ちなんてわかるわけないじゃない。」
『そう・・・。』
本当にこの男は救いようがないようだ。
・・・かつて、自分を卑怯者だと言った人がいた。
でも、その人は人を守る為に卑怯者になったんだ。人を死なせないために卑怯者になったんだ。
だけど今目の前にいる卑怯者は・・・。
『下の下ね。』
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柊渚(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！ (2021年4月5日 22時) (
レス) id: ebf2823d1c (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - この作品大好きです！応援しています！ (2021年3月30日 17時) (レス) id: cf49d2eead (このIDを非表示/違反報告)
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