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狭く、冷たい牢の中で朝日を浴びる。
あまりの眩しさに、私は起きた。
『っ・・・つぅ・・・。』
手を後ろで縛られた状態で体を起こす。昨日鞭で叩かれた箇所がひどく痛む。
顔、ヒリヒリする・・・腫れちゃったなぁ・・・。今の顔絶対に羽京くんに見られたくないや。
牢の傍には見張りが一人、眠っていた。
(・・・司くんのときもそうだけど、私の見張りってなんでいつもこう、仕事に適当かな。)
牢の外を見れば、頭首の住処が見えた。
あの上にあったコハクちゃんと銀狼くんの石像は、もうない。寝ている間にどこかへ運ばれてしまったようだ。
昨日は暗くて見えなかったけど、どうやらこの牢は後宮の中にあるらしい。
頭首の住処の位置と角度を脳内マップに合わせ、今自分がいるおおよその場所を把握する。
(傷痛い・・・これ、痕残っちゃうな・・・。)
やだなぁ・・・。
気分を沈めていると、こちらに向かってくる足音が二つ。
それに気付いてか見張りも慌てて起きあがり、あたかも一晩中見張ってましたの姿勢を装う。
巨大な影が牢の中に差す。
「聖ちゃ〜ん、そろそろおじちゃんに情報教えてくれる気になった？」
牢に顔をのぞかせたのは宰相イバラ。その後ろにはキリサメがいた。
『・・・。』
「あらら、そっぽ向いちゃった。」
牢の扉を開き、イバラが中に入ってくる。
大きな手が私の顔を掴み、無理矢理顔をイバラの方に向かせられる。
「あーあーキレイな顔だったのにこんなにボコボコになっちゃって、かわいそうにネ。」
『・・・っ。』
自分が一番、鞭を打っていたくせに。
「おじちゃんね、あまり女の子を傷つけたくないの。悲しくなっちゃうでしょ。
ちゃっちゃと情報吐いちゃった方がこれ以上傷つかなくて済むし、解放してあげられるよ？」
『何度も言うけど、私が仲間の情報を口に出すことはありません。』
「・・・。ザンネン、まだまだお仕置きが必要みたいネ。」
『・・・っ殴るなり、鞭で打つなりなんでもどうぞ！爪をはがされようと骨が折れようと私は絶対に話さない！死んでも話さない！！』
震える体を抑えるように大きな声を放つ。
こんなの虚勢だ。相手もそれに気付いているだろう。
でも、絶対に話さない。
絶対に。
私が皆を守るんだ。
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柊渚(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！ (2021年4月5日 22時) (
レス) id: ebf2823d1c (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - この作品大好きです！応援しています！ (2021年3月30日 17時) (レス) id: cf49d2eead (このIDを非表示/違反報告)
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