月は共に輝く

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　「絶対に勝つんだ！！」


　 天馬の言葉に私達は頷いた



　 絶対勝つ

　 必ず


　 不思議とさっきより心が軽くなった気がした



　 試合再開のホイッスルが鳴る


　 雷門のキックオフで剣城がボールをもって駆け上がる


　「「精鋭兵ポーン！」」

　「ぐあっ！」

　 剣城がＦＷの二人に吹き飛ばされボールを放す

　 だがすかさずスライディングでボールを天馬の元へやる

　 同じように攻め込む松風


　「無駄だ」

　「「精鋭兵ポーン！」」

　「うあああっ！」

　 突き飛ばされるもすぐに体勢を立て直しもう一度突っ込む天馬

　「魔宰相ビショップ」

　「鉄騎兵ナイト！」

　「うわああっ！！」

　 飛ばされ体を地面に叩き付けられる

　「無駄だということがまだわからないのか」

　「まだまだぁ！！」




　「魔女クイーンレディア」

　「番人の塔ルーク」

　「うあああ！！」


　 倒れる天馬

　「これで大人しくなるな」

　 相手がボールをもって天馬に背中を見せる


　「っ！！」

　「なに！？」

　 ボールを奪って再び攻め込む天馬


　 また、飛ばされる


　 また、倒れる


　 それでも天馬は諦めず立ち上がり、敵陣に突っ込んでいく


　 何度倒れても起き上がり、ボールを取り走る


　 奴の中には諦めという言葉はもはやない


　 ボールを取られ、雷門ゴールの方へ高く蹴りあげられる

　 車田先輩と霧野先輩がボールを防ごうと高く飛ぶが二人よりも高く飛ぶ御戸

　『！』

　 奴によってシュートが打たれる


　 そう思ったとき、西園がパンチングしシュートを防いだ


　 それをはじめとして、皆が一つのボールに全力で食らいつく

　 ボールにかける必死な思い、雷門の動きが変わった


　 取られるものか

　 負けるものか



　「夜月！」

　 ボールは私の元へ

　 皆のサッカーへの熱い思いがボールと一緒に伝わる


　 そのきっかけを作ったのがあいつなんだ


　 すべてあいつのせいだ

　 あいつの気持ちが私達を奮い立たせる


　 サッカーなんてもう、どうだっていいと思っていたのに

　 いつも必死に、諦めないあいつを見て馬鹿馬鹿しいと思っていたはずなのに


　 いつの間にか私まで諦めが悪くなっちまった


　(ホントお前は変な奴だよ)


　 口には出せないな、ありがとうなんてさ




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