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「皆・・・」
激しい攻撃を受け、倒れてしまっている皆
どうしよう
俺は、なんてことを・・・
「俺のせいだ・・・
俺、なんてことしちゃったんだ・・・」
神童キャプテンはいつだって、なにがあったって皆に指示を出して勝利に導いてきた
キャプテンがいたから、俺達は今まで勝ち進むことができたんだ
「だけど俺はっ、みんなをボロボロにしただけだった
馬鹿だ、俺、化身に化身をぶつけろなんて・・・皆が消耗することも気付かずに
なにが”なんとかなる”だよ、みんなが頑張ってくれてた
皆が何とかしてくれてただけじゃないか」
視界がにじんでいく
「みんなの頑張りに支えられてただけなんだ、キャプテンの俺がっ
なんとかなるなんて・・・大間違いだったんだ・・・!」
膝をつく
涙が止まらない
後悔が溢れだす
「何がキャプテンだよ!!俺がチームをめちゃくちゃにしたんだ!!
俺・・・キャプテン失格だ・・・
俺がキャプテンじゃ、どうやっても勝てない・・・!」
地を殴り、蹲ったその時だった
『さっきからうだうだとじめじめと・・・』
怒気が含まれた低い声
『さっきからうぜえんだよてめえはナメクジか!!』
「うがっ!!」
尻を強く蹴飛ばされた
痛い、とてつもなく痛い
振り返れば、いつにも増して眉間に皺を寄せた
「夜月・・・?」
『ふざけんのも大概にしろよてめえ!!
その頭のコロネ引きちぎって口に詰め込むぞ!!
”みんなの頑張りに支えられていた”?今更気付いたのかこの馬鹿!!
端からてめえに期待なんてしてねえんだよ!!
お前が神童先輩みたいになれるわけねえだろうが!!』
いつしか夜月が言った言葉
夜月が俺をキャプテンと認めてないと言った
「分かってるよ・・・認めてない事くらい」
『・・・』
「うぐっ」
今度は拳骨をくらう
『てめえ、まだ周りの声聞こえてないのかよ』
「え」
『ずっと呼んでるぞ』
その言葉の後にようやく俺の耳にその声が届いた
「天馬ー!!松風天馬!!」
声のする方をみる
観客席には松葉杖をついて必死に呼びかける
「神童・・・キャプテン・・・」
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