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靴ひもをきつく縛った
(よし・・・)
鞄を持ち立ち上がり振り返る
『いってきます』
「いってらっしゃい」
いつもは返事のない「いってらっしゃい」が今日は笑顔で帰ってくる
私は一度母さんに笑いかけていつも通り家を出た
(・・・いい天気・・・試合日和)
朝日が差し込み、空はとてつもなく青い
いよいよ今日だ
今日が決勝戦・・・私達の革命が成功するかどうかの運命の時
今まで夢に見た日
(・・・頑張ろうね、朝日)
胸の内に秘めた朝日にそう語りかける
実際に聞こえてはいないけど、あの頃のような元気な返事が聞こえた気がした
「ぁ」
『ぉ』
曲がり角で剣城と出くわす
「・・・はよ」
『・・・おはよ』
そして自然と一緒に学校へ向かう
お互いそんなにべらべらと話すタイプではないため
いつもは会話を始めても数秒で終わる
が、今日はそうでもなかった
「コンディションは」
『絶好調、お前は』
「当たり前だろ」
だよね、わかってた
進む先に止まっていた雀が私達が近づくと近くの家の塀に飛び移った
なんとかくそれをみると剣城がまた口を開く
「俺達は必ず革命を成功させなければならない、今日の試合絶対に勝つぞ」
そいつは当たり前のことをいった
『・・・お前ってほんと見た目に反して真面目だよな』
「は」
『あのころの極悪人面の剣城くんはどこへいったのやら』
「あの頃のツンツンと一匹狼でいた白石さんはどこへいったんだろうなぁ?」
『・・・』
「・・・」
『くるくるもみあげ』
「漢女」
『ブラコン』
「マザコン」
『・・・』
「・・・」
清々しい空の下、私達の周りにいた鳥たちが一斉に逃げた
『アルテミス』
「ランスロット」
「ストップストップ!!」
化身を出そうとした私達の間に松風が飛び出してきた
「松風」
『・・・』
「大事な試合の前になに喧嘩してるの!?
化身だしての喧嘩禁止令この間神童先輩と円堂監督に出されただろ!?」
そういえばそうだったな
「ちっ」
『チッ』
「舌打ちしない!集合時間に遅れる、いくよ!」
松風に引っ張られ、私達は走った
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