月は共に輝く (ページ16)

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　また今日もファーストとセカンドの試合形式の練習

　準備運動をする私達

　『・・・？剣城はどうした』

　「あれ？そういえば来てないですね」

　監督に聞いてみると今日は来ないみたいだ

　なにかあったのだろうか

　今日の試合は剣城の代わりに影山が入った

　試合が始まる

　何度も何度も試合を繰り返す

　だが松風は相変わらずだ

　ボールを取られた

　霧野先輩が囲まれていると

　「霧野先輩！！車田先輩に！」

　だがそれはミスに終わり、車田先輩にボールが行くことはなかった

　またシュートを打たれる、また三国先輩が止める

　先輩はもうボロボロだ

　「っ・・・！」

　『・・・』

　またあの顔をする松風

　「よし！今日の練習はここまでだ！」

　円堂監督がそう告げた

　「おわった～」

　「さすがにこんだけ試合すると疲れるぜよ」

　「・・・」

　松風と円堂監督はしばらく視線を交えていたが

　監督の携帯が鳴り視線はそらされた

　顔を下にやる松風

　『・・・邪魔』

　「え、あ、ごごめん」

　『・・・』

　慌てて避ける松風

　私はそいつの横を通り過ぎた

　「・・・ごめん夜月」

　『・・・？』

　「怒ってるよね・・・俺の指示がダメなせいで・・・ごめん」

　『・・・別に怒ってないけど』

　「え、そうなの？」

　『そんなに四六時中怒ってないし』

　「・・・」

　松風は意外そうな顔をする

　なんだよ、私はそんなに怒っているのか

　「・・・俺何度やってもうまくいかない

　キャプテンみたいにうまく出来ないんだ・・・」

　『・・・』

　眉を更にさげる松風

　今にも泣きそうだ

　『当たり前だろ、お前下手なんだから』

　「！」

　『まず比べる相手を間違ってる

　お前と神童先輩との差なんて天と地、月とスッポン・・・んー・・・

　いや、月と犬のフンくらいの差だ』

　「ひ、ひどい」

　ショックを受ける松風

　『・・・お前は神童先輩にはなれない』

　「っ・・・」

　私はそういって松風に背を向けその場を去った

　(あれは・・・励ましになった、か・・・？)

　(俺、やっぱりキャプテンなんて・・・むいてないんだ)

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