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「太陽くん！！」
その声で漸く我に返った
「うわっ冬花さん・・・！」
目の前にいる雨宮は「しまった」という顔をしていた
恐らくそこがこいつの病室なのだろう
そこの窓から若い看護師が顔を出していた
「また病室抜け出したのね！すぐに戻ってきなさい！」
「えー」
『・・・』
その冬花と呼ばれた看護師は顔を引っ込めた
気付くと空は夕焼けに染められていて、ほんのりと汗をかいていた事に気付く
(・・・そんなに、集中してたんだ・・・)
「仕方ない、冬花さん怒ると怖いし」
しぶしぶといった感じでボールを拾い上げる雨宮
「楽しかったよ、そんなに上手いならすぐにレギュラー取れるよ、きっと」
『・・・』
「あれ、また無視？さっきまであんな楽しそうな顔してたのに」
『・・・楽しくなかった』
「・・・夜月ちゃんって嘘下手だね」
私の顔をのぞいて小さく笑う雨宮
そして私の手を取り握った
「今日はありがとう！また一緒にサッカーやろう！」
『・・・』
「それじゃあまた！」
そういって雨宮は手を振りながら病室に戻っていった
『・・・』
乱れた髪を手で梳かす
あの小さな兄弟がこっちを見ていた
「お姉ちゃんすごかったね！」
「ぼくもあんなふうにうまくなれるかな！？」
『・・・さぁね』
居心地が悪くなり、少し駆け足でそこを去った
まだ胸の奥が大きく高鳴る
(楽しそうだった・・・？私が？)
そんなはずない
(でも、声をかけられるまでサッカーをずっと追いかけていた)
あいつからボールを奪おうと、守ろうと必死に
私自身のプレーで
思い出すとまた胸の奥が高鳴る
(ちがう、違う違う違う・・・！！)
自身のプレーでやったサッカーを楽しいと思えた事を否定したい
でも胸の奥の高鳴りは止まない
(私は朝日・・・朝日)
朝日にならないといけないんだ、私が
母さんのために、母さんを悲しませないために
でないと
私は存在を示すことができない
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紫苑(プロフ) - 煌藍-kourann-さん» マジでしたありがとうございます (2017年3月31日 14時) (
レス) id: 26c430ab18 (このIDを非表示/違反報告)
煌藍-kourann-(プロフ) - 最初のアツシ生きてるよの所アツシじゃなくてアツヤですよ〜 (2017年3月31日 13時) (レス) id: 50e247090e (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - この小説はじまったばかりですか大好きです！楽しみにしてます！更新頑張ってください(´∀`) (2017年3月27日 19時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
小雨(プロフ) - どんなお話になっていくか楽しみです！！文も読みやすくて…！更新がんばってください！楽しみにしてます！ (2017年3月27日 12時) (レス) id: aee04df0c8 (このIDを非表示/違反報告)
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