検索窓
今日:28 hit、昨日:8 hit、合計:229,852 hit

16 ページ18




 「なんちゅー顔してんだ」

 『・・・』

 「眉間に皺寄せまくってんぞ」


  病室に入ってのじいちゃんの第一声はそれだった

  私のイラつきは顔に思い切り出ているみたいだ

 『・・・調子は』

 「見ての通り元気だ

  お前こそどうなんだ、今の時間はまだ部活じゃねえのか?」

 『・・・』

 「サボりか」

 『自主練はしてるし』

 「馬鹿野郎、おめぇ一人でやんのとみんなでやんのとじゃ違ぇんだぞ」

 『・・・わかってるよ』

 「ま、お前は昔から人とはつるまないやつだったからな

  朝日はお前と違って人懐こい奴だったけどよ」


  じいちゃんは懐かしむように言った

  サングラスのせいで、その目はどんな目をしているのかは分からない

  ただ外の夕焼けがサングラスに反射していた

  じいちゃんはまたいつものように将棋盤を出した

  なにも言わずに、私は相手をした

  パチ、パチ・・・と駒を打つ音がやけに大きく聞こえる


 「夜月・・・毎日俺んとこ来てんけどよ

  それは俺の病気を心配してきてんじゃないんだろ」


  パチ


 「母ちゃんから逃げてきてんだろ」


  パチ

 『・・・』

  パチ


 「3年前だったか、朝日が死んだのは

  それからお前はここに頻繁に来るようになった」

  パチ

 「昔は”おじいちゃん”なんて可愛らしく言ってたのによ

  今じゃ朝日と同じじいちゃん呼びだ

  昔だってよ、お前は感情を表に出さねえ奴だったのに

  こんなに眉間に皺寄せてよ」

 『・・・』


  パチ

 「お前等は双子なのに、ほとんどが正反対だった

  朝日は太陽みたいに元気よく明るかったのに対して

  お前は月みたいに静かにそこにいた」

 『そうだったね』

 「夜月」

 『・・・』


  パチ


 「夜月」

 『何、聞こえてるよ』

 「そうだお前は夜月だ、朝日じゃねえ夜月だ」

  手を力強く握った

  爪が食い込む

 「・・・やりたいんだろ、自分のサッカーを

  朝日でのプレイじゃなくて、自分のプレイをしたいんだろ」


  パチ


  この人はエスパーか何かなのだろうか

  そのサングラスの奥の目は一体私の何を見ているのだろうか


 『・・・王手』

 「なにっもう一回!」




17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
186人がお気に入り
設定タグ:イナズマイレブンGO   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫苑(プロフ) - 煌藍-kourann-さん» マジでしたありがとうございます (2017年3月31日 14時) (レス) id: 26c430ab18 (このIDを非表示/違反報告)
煌藍-kourann-(プロフ) - 最初のアツシ生きてるよの所アツシじゃなくてアツヤですよ〜 (2017年3月31日 13時) (レス) id: 50e247090e (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - この小説はじまったばかりですか大好きです!楽しみにしてます!更新頑張ってください(´∀`) (2017年3月27日 19時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
小雨(プロフ) - どんなお話になっていくか楽しみです!!文も読みやすくて…!更新がんばってください!楽しみにしてます! (2017年3月27日 12時) (レス) id: aee04df0c8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫苑 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月19日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。