13 ページ15
・
今日の授業が終わった
掃除当番の奴、部活に行く奴、友達と駄弁る奴、帰る奴
私は帰る
なんとなく隣を見ると、そいつは携帯をいじっていた
『部活行かないの』
「お前こそ」
剣城は携帯画面から目を放さず返事をした
『私は自主練』
「サッカー部のみなさんとやらないのか」
『サッカー部のみなさんは今ごたごたしてて巻き込まれるのが嫌だから』
「残念だったな、多分ずっとごたごたしたままだぜ」
携帯を閉じた剣城
その瞳は私を捕えた
「お前、前はどこにいた」
『は?』
「中学に来るまでどこのチームにいた」
『・・・別に、ここから近い小学校のチームに入ってたけど
それがなにか』
「お前の実力を見込んでスカウトしてやろうと思ってな」
気付くと教室には誰もいなかった
外からは運動部の声が聞こえる
「シードにならねえか」
『やだ』
即答
「・・・」
剣城はなんとも言えない顔をしていた
『シードって監視とかいろいろと面倒臭いことしなきゃいけないんでしょ
やだよ
私は普通にサッカーがやりたい』
「へえ?お前もあいつと同じサッカー大好き人間か?」
あいつとはおそらく松風の事だろう
『あいつと同類にすんな、イラつく
私にとってサッカーはやらなくちゃいけないモノなの』
母さんのために、私はサッカーをやらなくちゃいけない
『ただサッカーがやれるなら
管理サッカーや勝敗指示なんてどうだっていい・・・!』
「・・・」
勝ったって、負けたって、どうだっていい
ただフィールドの上でプレイをすれば、それでいい
『・・・で?もう帰っていい?』
「・・・」
剣城の返事を待たずに教室を出た
廊下にはまだ生徒がたくさんいて賑やかだった
『・・・』
母さんの望む私でいる
ずっと
ずっと
悲しませないように
母さんを支えられるのは、私しかいないんだから
・
186人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫苑(プロフ) - 煌藍-kourann-さん» マジでしたありがとうございます (2017年3月31日 14時) (レス) id: 26c430ab18 (このIDを非表示/違反報告)
煌藍-kourann-(プロフ) - 最初のアツシ生きてるよの所アツシじゃなくてアツヤですよ〜 (2017年3月31日 13時) (レス) id: 50e247090e (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - この小説はじまったばかりですか大好きです!楽しみにしてます!更新頑張ってください(´∀`) (2017年3月27日 19時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
小雨(プロフ) - どんなお話になっていくか楽しみです!!文も読みやすくて…!更新がんばってください!楽しみにしてます! (2017年3月27日 12時) (レス) id: aee04df0c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ