弱虫ヒーロー３ (ページ31)

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貴女ｓｉｄｅ

轟「一応聞いとく、俺達のやろうとしてる事は

　誰からも認められねえエゴってヤツだ

　引き返すならまだ間に合うぞ」

切「迷うくらいならそもそも言わねえ！

　あいつァ敵のいいようにされていいタマじゃねえんだ・・・！」

貴『私も、もう逃げたくない・・・』

緑「僕は・・・」

　力強い目

緑「後戻りなんて出来ない」

貴『・・・』

　緑谷くん・・・

　やっぱり

貴『緑谷くん、ちょっと・・・いい？』

緑「え？は、はい！」

轟「・・・どうした」

貴『・・・ちょっと、お話し』

　緑谷くんと一緒に席を立ち

　人のいない車両に行き、誰も聞いていないことを確認して口を開く

貴『・・・ずっと、聞きたいことがあったの』

緑「う、うん」

貴『・・・”ワン・フォー・オール”』

緑「！！？」

　目を見開いた緑谷くん

貴『・・・やっぱり、身に覚えがあるみたいだね』

緑「いや、その」

貴『君の”個性”はその”ワン・フォー・オール”なんじゃないの』

緑「・・・」

　どうやら、あたりみたいだ

貴『・・・その”個性”は人から人へと受け継ぐ個性

　緑谷くんが今の後継者なら

　・・・君の前の人は』

　自分でも、どこか少し焦りがあることに気付く

　どうか、そうじゃないと信じていたかったからだ

　だって、あの人が、そうだとしたら・・・もう、あの人は

貴『オールマイトさん・・・』

　オールマイトさんは、もう

緑「・・・」

　静かに、首を縦に動かした緑谷くん

貴『ッ・・・そ、っか・・・』

緑「で、でもどうしてそれを」

貴『・・・オールマイトさんから聞いてない？

　 ”ワン・フォー・オール”の、生みの親を』

緑「！！」

貴『”オール・フォー・ワン”

　人の”個性”を奪う力を持つ・・・私の、”破壊”よりも恐ろしい個性』

緑「・・・オールマイトから、聞いたよ」

貴『・・・私は、そいつに何度もあった事がある』

緑「！！」

貴『・・・死柄木よりも、すごく、怖い人・・・

　私にとっての恐怖そのもの』

　お母さんの、死ぬ原因を作った人

貴『・・・ごめんね、ただ、君が後継者か確かめたかっただけなの』

緑「・・・不破さん、大丈夫だよ」

貴『・・・！』

緑「あ！いや！？なにが、とかよく分からないんだけど！！でも」

　力強く握った拳を見る

緑「不破さんはちゃんとヒーロになってるよ！！」

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