弱虫ヒーロー３ (ページ27)

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貴女ｓｉｄｅ

　あれから数十分後くらい

　私は八百万さんの腕の中で泣き続けた

　他のみんなは、私達に気を遣ってか、私達のいる病室から出ていった

百「落ち着きましたか・・・？」

貴『うん・・・ありがとう・・・』

　今は一階のホールに二人でいる

　彼女から渡された飲み物を受け取る

　私の隣に静かに座る八百万さん

百「・・・これから、どうしますの・・・」

貴『・・・救けに行くよ・・・』

百「・・・」

　八百万さんは少し眉間に眉を寄せた

貴『爆豪くんは、私を助けてくれた・・・

　自分が逃げることだってできたのに・・・だから、今度は私が、救ける』

百「・・・でも、不破さんにとって・・・あの敵たちは・・・」

貴『・・・憎い・・・すごく、怖い・・・

　それに、救けに行った先に・・・

　もしかしたら、”あの人”がいるかもしれない・・・

　また、怒りに任せて”個性”をつかって・・・たくさんの人を・・・』

　持っていたペットボトルに力が入り、べこりと音がする

貴『・・・だから・・・』

　八百万さんの瞳を見る

貴『私は、八百万さんに・・・ついてきてほしい』

百「！」

貴『私がまた、自分を見失いそうになっていたら

　また・・・また、目を覚まさせてほしい、止めてほしいの』

百「・・・」

　彼女はまた下を向いた

百「・・・正直、切島さんに言われてから・・・ずっと迷っていたんですの」

貴『！』

百「でも・・・今、決心がつきました」

　立ち上がり、私の目の前に来る八百万さん

百「私も、いきます

　私は、轟さんや、不破さんを信頼しています

　もしものときに、ストッパーになれるように・・・！」

貴『・・・！』

百「それに」

　目の前に小指を立たせ突き出す手

百「ここで、親友のお願い

　ましてやあなたのお願いを断るなんて・・・約束を破ってしまいますわ」

貴『やく、そ、く・・・』

　【私達はあなたを見捨てませんわ】

百「針千本飲むのは、嫌ですのよ」

貴『・・・ふふ、そうだね』

　彼女の小指に自身の小指を絡ませる

貴『必ず、救けだそう』

百「皆、無事に・・・ね」

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