弱虫ヒーロー３ (ページ24)

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貴女ｓｉｄｅ

貴『耳郎さん・・・葉隠さん』

　次の日、まだ目が覚めない二人の元へ行く

　昨日は轟くんや切島くんなどが来てたみたいだけど

　あのときはリカバリーガールさんの治癒で、すぐに寝てしまった

貴『・・・』

　耳郎さんの手の傍でシーツを握る

　唇を強く噛みしめる

　その時、扉が開く音が聞こえた

轟「！！不破・・・！」

百「不破さん！」

飯「ここにいたのか」

　Ａ組のみんなだった

麗「よかったー！怪我ももう完治したんやね！」

蛙「無事でよかったわ」

峰「ほらこれ！見舞いの品！みんなで買ったんだ！」

麗「いまみんなでデクくんのとこいってきたの！

　目が覚めたんだよ！」

貴『・・・』

　私はみんなの事をみて、すぐに視線をもとに戻した

百「・・・」

上「不破？」

飯「気分が優れないのか？」

貴『・・・別に』

　静まる病室

　そりゃ、そうだよね

　いつもにこにこしている奴が、いまは全く笑ってないんだもん

　まるで、昔の自分だ

貴『・・・なにも、できなかった・・・』

　ようやく発せたのは、後悔の言葉

貴『・・・ただ、やられて・・・結局守ることができなくて

　あいつ等に捕まって、爆豪くんに助けられて・・・

　・・・いま、こうして無様に生き続けてる・・・』

芦「そんなこと！」

貴『なんで』

芦「！」

貴『なんで、いつも、救けられないのかな・・・』

　助けるどころか、いつも救けられてばかり

切「・・・不破、救けに行かないか」

　「「！！」」

貴『・・・？』

飯「切島くん！！君はまた！！」

百「！」

切「なにも出来なくて、悔しかったのは俺も同じだ

　ダチが狙われてるの知ってもなんっも出来なかった！！」

貴『・・・』

　切島くんの話を聞く

　八百万さんはあの時、敵の一人に発信機を取り付けた

　それを彼女が警察に話しているとき、切島くんと轟くんは聞いていたみたいだ

　彼女に受信デバイスを創ってもらって

　敵のアジトへ行き・・・

　爆豪くんを救けに

貴『いく』

　迷いはなかった

蛙「まって刹那ちゃん

　さっきも緑谷ちゃんたちにも同じことを言ったけど

　どれほど正当な感情であろうと戦闘を行うというのなら

　ルールを破るというなら、その行為は敵のそれと同じなのよ」

貴『・・・』

　敵、ね・・・

貴『そんなの、今更関係ない』

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