弱虫ヒーロー３ (ページ23)

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貴女ｓｉｄｅ

貴『・・・』

　病院

　なんどもその施設に行った事がある私は

　目を覚ましてすぐにそこだと分かった

貴『う・・・』

　まだ脳がうまく働いていない

　どうして私は・・・ここに・・・

　たしか、林間合宿で

　りん、かん・・・

　ヴィ・・・ラン

貴『！！！』

　勢いよく体を起こす

貴『あ・・・ああぁぁ・・・！』

　頭をくしゃくしゃにかき乱す

貴『きた・・・あいつらが、来たんだ』

　私を殺しに

　爆豪くん

貴『ばく、ごうくん・・・』

　彼は、私を助けて・・・

　彼だけ、あいつらのところへ

貴『・・・』

　なんで、なんでなんでなんで

　なんであの時私は動かなかった

　死んでも良かったって思ってた

　つぎ、みんなを襲ったら

　あいつらを殺してでも止めようって、決めてたのに

リ「失礼するよ」

　病室の扉が開く

リ「！！！刹那・・・！目を覚ましたんだね」

貴『リカバリーガール、さん・・・』

　傍に寄ってきた彼女の体を掴む

貴『みんなは！！？爆豪くんは！！？ねえ！！！』

リ「落ち着きな！！」

　焦る私を落ち着かせる

リ「・・・耳郎、葉隠含め、ガスによる意識不明の重体１５名

　重・軽傷者はあんたを含め１２名、無傷で済んだのは１３名

　・・・１人、行方不明

　プロヒーローの６人のうち、１名が重体、１名行方不明」

貴『・・・』

リ「・・・あんたは、ここに運ばれてからずっと高熱と悶絶を繰り返してた

　運ばれてから２回の手術、３回の私の治癒・・・

　今は、みたところほとんど回復したみたいだね・・・」

貴『・・・』

リ「・・・今回はいつも以上にひどかった・・・

　もし、轟たちが合宿所で応急処置が遅れていたら

　今度こそ死んでいたよ」

　言葉なんて出てこなかった

　なにも考えられなかった

リ「・・・八百万も数時間前に目が覚めた、その他の生徒はまだ・・・」

貴『八百万、さん・・・』

リ「頭を強く打っただけで、命に別状はない」

貴『・・・』

　私の体を診て、リカバリーガールさんは病室を出ようとする

リ「刹那・・・あんたにとって、”償い”は”死”なのかい」

貴『・・・』

リ「自分の”償い”・・・もう一度よく考えてみな」

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