月々の恋【ツキウタ。短編集】

【霜月】好きな子ほど（あるる様リク） ページ43

霜月ｓｉｄｅ


隼「やぁA♪」

貴『ひぃ！！？』


　 と僕が声をかけると涙目で怯える彼女はここ最近の僕のお気に入り

　 持っていた分厚い本を盾にする彼女は小動物のようで



　 とてもいじめたくなる


隼「もぉ〜そんな反応しないでおくれ、いじめたくなっちゃう☆」

貴(悪魔)

隼「今日は一緒の講義だったんだね、お隣失礼しまぁす」

貴『う、うぅ・・・』

　 僕が隣に座ると距離を離そうと右にずれるA

　 その離れた分距離を縮める僕

　 そしてまた離れ、また近ずく


貴『う、う・・・』

隼「ふふ、もう逃げられないね・・・」


　 とうとう壁際に来て逃げ場を失くしたA

　 最初から分かっていた事だったのに自分で追い込むなんて

　 かわいい・・・

　 もっといじめたい


　 先生が来て講義が始まる


　 Aは講義中は何もしてこないだろうと思っているのか

　 真面目にノートを取っていた


隼「・・・ふぅ」

貴『うぎゃっ！！』

　 静かな講義室に響くカワイイAの声

　 集まるみんなの視線に顔を赤く染めた

　「どうした？」

貴『な、なんでもないです・・・虫がいたもので・・・』

　 周りは特に気にせず、講義は続けられた


　 ふふ、耳に息を吹きかけただけでいい反応してくれるなぁ


隼「・・・」

貴『っ・・・！ぅ・・・ふ』


　 今度は横腹をくすぐった

　 これがおもしろいくらいに彼女はくすぐりに弱い

貴『っ！』

　 「やめて」と涙目で潤ませながら訴えるAの瞳

　 それがさらに僕をドキドキさせた


　 君のその表情がどれだけの破壊力があるのか、君は分かっていないんだね

隼「・・・好きだよ」

貴『ええ！？』

　「今度は何だ！」

貴『あああ、な、なななんでもありません！！』

隼「ふふ」


　 可愛いなぁ、可愛いなぁ


　 もっともっといじめたくなっちゃう

　 可愛く笑う顔や怒った顔も好きだけど


　 君のその困った顔が一番大好き


　 好きな子ほどいじめたくなっちゃうんだよね、僕



・

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