月々の恋【ツキウタ。短編集】

【水無月】甘えた猫（日向様リク） ページ31

貴女ｓｉｄｅ


涙「A〜・・・」

貴『ぐえっ』


　 開始早々女っ気のない声出してすみません


　 今日は涙の部屋に遊びに来ています


　 暖かい日差しが気持ちよく

　 窓の近くに寝転がって日光浴をしていると


　 涙がお腹の上に勢いよく乗っかってきた


　 ・・・昼ごはん出てくるところだった


　 と思っている内に

　 私のお腹に頭をすりすりと動かす涙


貴『るーい？くすぐったいよー』

涙「んー・・・」

　 涙の声がお腹に響いてさらにくすぐったい


貴『今日は随分と甘えん坊ね』

涙「んー・・・」


　 涙のキレイな髪をなでる


　 気持ちよさそうに目を細めたのが分かった


　 お前は猫か、かわいいなちくせう・・・


貴『そういや今日ヤマトは〜？

　 せっかく猫缶買ってきたのにー』

涙「浮気・・・」

貴『なんでやねん』

涙「僕よりあんな女がいいの・・・？」


　 眠そうな目でこっちを見てきた涙


貴『・・・ヤマトはオスだし・・・どこで覚えたそのセリフ』

涙「昨日の昼にやってたテレビ」

貴『涙くんにはそういうドロドロしたお話は教育に悪いかな

　 ってか、涙？絶対眠たいでしょ』

涙「うん・・・」

貴『寝ちゃえばいいのに・・・

　 あ、でも私のお腹を枕にするのはやめてよね』

涙「柔らかくて気持ちいのに・・・」

貴『どつくぞ』


　 まだ痩せている方だぞ・・・多分


　 少し動いて

　 今度は私の横に体を倒した


　 そしてガッチリホールドされる

貴『抱き枕か』

涙「うん、A・・・いい匂いだから落ち着く・・・」

貴『動けない〜』

涙「だめ、逃がさない・・・僕が寝ている間に、帰っちゃ、だめだからね」

貴『私がするとでも』

涙「この間寝ている間に帰った」

貴『・・・ごめん』

涙「いてね？」

貴『しょうがないなー』

涙「ふふ・・・おやすみ・・・」

貴『はい、おやすみー』



　 やがて気持ちよさげな寝息が聞こえてきた


　 それを見ると、私も段々眠くなって


　 私も涙の隣で寝た



・

涙(寝顔・・・かわいい・・・)



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