あの目を持つ彼女は

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文月ｓｉｄｅ



海「・・・」



　 沙良と・・・


貴『あの子のためにたくさんの景色を送り続けるのが私の生きる糧』

海「なんで、俺には教えてくれなかったんだ？」

貴『多分、海くんが自分の事好きなの

　 沙良は気付いていたと思うよ』

海「は！？」

貴『だからこそ、海くんに未練が残らないよう黙ったんだと思う』

海「・・・」


貴『私はね、さっきも言ったけど

　 沙良の記憶がみえるの、あなたと話しているときの沙良の視界

　 すごくきらきらしてた

　 沙良も、海くんの事好きだったんだろうね』

海「・・・」

貴『・・・だからね』


　 芹が俺を見る


　 怒りに似た感情を込めて


貴『私は、あなたが嫌いだった』


海「・・・」

貴『あの子と一緒に同じ景色を見れるあなたが羨ましかった

　 あの子と笑い合って楽しく話すあなたが羨ましかった

　 あの子の、最期の姿をみれたあなたが羨ましかった



　 私ね、海くんにずっと嫉妬していたの』


海「・・・なんで、俺にそのことをばらしたんだ」

貴『さぁ？苦しんでほしかったのかな

　 それか、好きな女の子の目を持つ人が現れたら

　 あなたがどうなるのかも見たかったのかも』

海「で？感想は？」

貴『・・・苦しむっていうよりは


　 嬉しそうな顔だね』

海「まぁな」

貴『・・・なんか、興醒めしちゃった』

海「なんだそれ」


　 くすくすと笑い合う


貴『なんか、この子が海くんを好きになるのも納得』

海「・・・」


　 きれいな笑顔だった


貴『あーあ、海くんが女好きとか最低な男だったら

　 とことん苦しめてやったのに』

海「こえーよ」





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