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5年前。私は彼に、振られてしまった。
きっとこれからもなんだかんだ2人で過ごしていくんだろうな、と思っていた矢先のことだった。
唐突に、別れてくれ、と頭を下げられた。
理由を訊いても教えてくれないことに納得がいかなくて、何度も何度も問い詰めた挙句に、"好きな人ができた"と言われた。
あぁ、それなら仕方ない。
変に浮気とかされる前に、振ってくれて良かった、とすら思えた。
彼のことを好きなまま、離れることはとても辛かった。
別れてからのダメージも予想以上に大きくて、新しい恋もまだできていない。情けないよな、とつくづく思う。
駅前の居酒屋のカウンター席に、並んで腰掛けた。
私の左横に座る彼は、自分から誘ってきたくせに全く喋らない。
「…相当忙しいんやないの、最近」
『まぁ…そうやな、忙しい』
「あの頃は時間なんて、山ほどあったのになぁ」
『うん。無駄に散歩とかしてたよな、今思うと老夫婦みたいや』
「あはは、ほんまにそう」
ふたりで笑って、ビールをぐいっと飲んで、グラスをテーブルに置く。すべてのタイミングが全く同じで、妙に照れくさい。
『…Aは、仕事どう？』
「相変わらずかなぁ。残業は少し減ったかも、時代やねぇ」
『………沖縄は、やめたん？』
「おっ…おきなわ？」
急角度から質問をされて戸惑う。
沖縄…遠い記憶がぼんやりと、蘇ってくる。
彼と別れる直前、仕事で沖縄支社への異動を打診されたことがあった。でもその話は結局無くなって、彼にも話していないはずだ。
「匠伍がなんで知ってるん？」
『一緒に暮らしてる時…俺が寝てる時にAがしてた電話、聞いてもうて。多分同僚の人と喋ってて…たぶん沖縄は断ると思う、ってAが言うてた』
「そうやったんや…」
『俺のために…断ってくれたんやろ？』
「………はっ？」
『いや、だから…俺がおるから…』
「ご、ごめん、普通に急に沖縄異動はしんどいなと思って断っただけなんやけど」
『えっ！？そうなん！？』
「うん」
『俺…Aがほんまは異動したいと思ってるのに俺が邪魔してるんやと思って…それで、別れようって、言うたんやけど…』
「……えっ、ちゃうやん、匠伍好きな人ができたって」
『ほんまの理由言うたらAが気遣うと思って』
あまりの衝撃に、私は数秒固まってしまった。
そんな理由で私は振られて、5年ものあいだそれを引きずっていたというのか。
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いと(プロフ) - あすさん» リクエストありがとうございます！設定承知いたしました(^^)だいぶお待たせしてしまうかと思いますが素敵なものが書けるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (8時間前) (
レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - リクエスト失礼いたします。krmさんで付き合っていて道中でkrm見かけて勇気出して声をかけにいこうとしたら隣には綺麗な女性いて自信をなくしてkrmさんから離れていこうとするのを引き止められるお話読んでみたいです。よろしくお願いいたします。 (5月12日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - 神楽さん» リクエストありがとうございます！高校生設定かしこまりました！誰オチでも大丈夫ですかね？(><)できるだけ長めのお話書けるように頑張ります(^^)！ (4月29日 12時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - myrkとlcdの高校生設定で、友達から段々発展していくお話読んでみたいです！長編だと有難いです…！ (4月29日 3時) (レス) id: 4f1d6e068e (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ユカさん» リクエストありがとうございます！遠距離のお話好きなのでありがたいです(^^)笑 お時間かかりますが書かせていただきますのでよろしくお願いします！ (4月28日 15時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2024年3月6日 22時
