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彼は、彼らしい言葉で、丁寧に感想を伝えてくれた。
ネタだけではなく、拘ったオープニングVTRや幕間の曲にも触れてくれたことが嬉しかった。
好きな人が、認めてくれる。
それだけで報われた気持ちになれた。
「ね、堂前は？最近なんかあった？」
『ん〜…俺はなぁ、』
「堂前ー！」
私たちの会話を遮ったのは、彼の相方だった。
そろそろ出番やで、と駆けてきて、私の顔を見て、久しぶりぃと笑った。
会う度にひとまわり大きくなっている気がする。
『ごめん、またな』
「うん、まだ私ここおるし」
『でも俺ら、次飛び出しで森ノ宮やねん』
「あぁ、うん、大丈夫、また今度」
笑顔で手を振りながら、心は曇ってゆく。
昔からずっと面白かった彼が、世間に見つかって、どんどん評価されていくことは素直に嬉しいし尊敬もしている。
でも、物理的な距離だけじゃなく、彼は日に日に私の遠くに離れていってしまっているように感じる。
彼の過去を誰よりも知っていたって、過去にどれだけ多くの時間を一緒に過ごしてきたって、結局ただの同期は、離れてゆく彼を繋ぎ止めることはできない。
彼らを森ノ宮に見送った私は、口実で使ったネタ作りをそのまま楽屋で進めて、すっかり日が落ちたころに劇場を出た。
居酒屋のキャッチ、酔っ払ったサラリーマン、観光客の外国人、ぎゃーぎゃーと騒ぐ若者。
歩き慣れた道を、俯きながら歩く。
不意に、すんません、と声をかけられて顔をあげると、若い男性が立っていた。
「芸人さんっすよね？見たことある」
「…あぁ…はい、ありがとうございます」
「やっぱりそうや！え〜、近くで見たらめっちゃ可愛いやん、ご飯行かん？」
なんだコイツ。馴れ馴れしすぎる。
「行かないです、失礼します」
「待ってぇや」
腕を掴まれて、咄嗟に振りほどこうとしたが、力が強くて払えなかった。
一応、人前に出る仕事をしている。
こんな繁華街のド真ん中で、大声で助けを求めて目立つようなことはできない。
そういやこの辺、めちゃくちゃ治安悪かったな、と逆に冷静になる。
でもさすがに、こんな強引なナンパは初めてだった。
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いと(プロフ) - あすさん» リクエストありがとうございます！設定承知いたしました(^^)だいぶお待たせしてしまうかと思いますが素敵なものが書けるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (5月12日 13時) (
レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - リクエスト失礼いたします。krmさんで付き合っていて道中でkrm見かけて勇気出して声をかけにいこうとしたら隣には綺麗な女性いて自信をなくしてkrmさんから離れていこうとするのを引き止められるお話読んでみたいです。よろしくお願いいたします。 (5月12日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - 神楽さん» リクエストありがとうございます！高校生設定かしこまりました！誰オチでも大丈夫ですかね？(><)できるだけ長めのお話書けるように頑張ります(^^)！ (4月29日 12時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - myrkとlcdの高校生設定で、友達から段々発展していくお話読んでみたいです！長編だと有難いです…！ (4月29日 3時) (レス) id: 4f1d6e068e (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ユカさん» リクエストありがとうございます！遠距離のお話好きなのでありがたいです(^^)笑 お時間かかりますが書かせていただきますのでよろしくお願いします！ (4月28日 15時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2024年3月6日 22時
