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バスに揺られる。
乗客はまばらだった。
『今日の僕って、どうでしたか』
バスの窓に差し込む夕日が彼の横顔を照らす。
ふたり掛けの座席は思っていたよりも狭くて、近い距離にまた心臓がうるさくなる。
「今日の僕…？いつもの永見やったけど…」
『あれ、おかしいな…いつもより格好よくしてみたつもりなんですけど』
「んふ、なにそれ。永見はいつも格好いいよ」
『そうなんですか』
自然に出た自分の言葉に驚く。
そう、彼は格好いい。出会った日から、ずっと。
『Aさんは…僕がほんっまの若手の時、芸人の仕事だけじゃ食べていけんかった時から、ご飯連れて行ってくれてたやないですか』
「うん」
『僕はその頃からAさんのことが好きやったけど…こんな後輩がAさんに告白するなんて、情けなさすぎて、できなくて』
「…す、好きって言うてるやん」
『最後まで聞いてください』
「あ、はい、ごめんなさい」
かけている眼鏡を指で押しあげ、彼は続けた。
『いつかAさんに釣り合う男になれるまで頑張ろうって思ってて…M-1決勝に行けて、東京でAさんと一緒の仕事も貰えて』
「うん」
『あとちょっとかな、ってやっと思えて。Aさんに少しでも男として意識してもらいたくて、色々必死に調べて…その履歴がまさか見られるなんて』
彼はがっくり肩を落とした。
あの日のことを思い返す。まさか見られるなんて、って、あんたが見せてきたんやで、とは言わないでおいてあげた。
『でも…Aさん笑ってくれて。ワンチャンあるって、ゆっくりいこって、言うてくれて』
「うん」
『だから、ゆっくり、ゆっくり…って言い聞かせてたんですけど…今までだって自分の気持ち抑えてこられたのに…なんか僕、全然無理で』
「うん」
『少しでも早く、ちゃんと言いたくて。でも片手間には言いたくないから…休みが重なる日、ずっと待ってたんです』
なんだ、彼も私と一緒だった。
ゆっくり進むのもそれはそれで楽しかったけれど、"先輩と後輩"のままではできないこともたくさんある。
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いと(プロフ) - あすさん» リクエストありがとうございます！設定承知いたしました(^^)だいぶお待たせしてしまうかと思いますが素敵なものが書けるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (5月12日 13時) (
レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - リクエスト失礼いたします。krmさんで付き合っていて道中でkrm見かけて勇気出して声をかけにいこうとしたら隣には綺麗な女性いて自信をなくしてkrmさんから離れていこうとするのを引き止められるお話読んでみたいです。よろしくお願いいたします。 (5月12日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - 神楽さん» リクエストありがとうございます！高校生設定かしこまりました！誰オチでも大丈夫ですかね？(><)できるだけ長めのお話書けるように頑張ります(^^)！ (4月29日 12時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - myrkとlcdの高校生設定で、友達から段々発展していくお話読んでみたいです！長編だと有難いです…！ (4月29日 3時) (レス) id: 4f1d6e068e (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ユカさん» リクエストありがとうございます！遠距離のお話好きなのでありがたいです(^^)笑 お時間かかりますが書かせていただきますのでよろしくお願いします！ (4月28日 15時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2024年3月6日 22時
