舞台の上から_1 ページ17
Tsuji side
*****
朝、劇場に着いてスマホを開くと彼女からメッセージが届いていた。
"今日やっと仕事がひと段落します。せやからご褒美！皓平くんを観に行きます！"
メッセージには、今日の夜公演のチケットの写真が添付されていた。
わざわざ自分でチケット取ってくれたんや。
言ってくれれば用意したのに。
でも、そういうところが彼女らしい。
ついに彼女が、僕のネタを観に来てくれる。
『ケツ、ネタ合わせよう』
ケツ「あ、はい」
『夜公演のやつな』
ケツ「え？今からですか？」
『ええから』
ケツ「…辻さん、なんか良いことありました？」
『…なんで』
ケツ「顔ずっとニヤついてますよ」
『…ほっといてくれ』
ケツ「はぁい」
ネタ合わせを終えたあと、夜公演の香盤表を確認した。
うわ、マユリカもおるやん…。
2週間前、堂前さんと阪本と彼女の4人で食事をした。
楽しかった。確かに楽しかったのだけど…阪本と彼女の波長が妙に合っていたことだけが、どうしても気になる。
そもそも僕は、彼女が人見知りだなんて全く知らなかった。むしろ真逆だと思っていた。
でも阪本は、彼女がどういうタイプの人見知りなのかあっという間に見抜いた。
人見知り同士だから分かり合えただけ、と言えばそれまでだが、僕はそれが無性に悔しかった。
帰り道でも彼女は、阪本さんって面白い人やんな、と嬉しそうに話していた。
というか、阪本のほうは完全に彼女に惚れていた。
恐らく、一目惚れ。初っ端から明らかに様子がおかしかった。
あかん、やっぱりめちゃくちゃモヤモヤする。
でも彼女は、"皓平くんを観に行きます"と言ってくれている。阪本も同じ舞台に立つなんてこと、きっと知ってすらいないんだろう。
それならもう、本気を出すしかない。
マユリカが出てきても、阪本が阪本だということに気がつかないくらい、僕たちのネタで笑わせればいい。
『ケツ』
ケツ「はい？」
『ネタ合わせ』
ケツ「ま、またっすか？」
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いと(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます！短編集のほうでもコメントくださった鈴さんですよね…？今回もとっっても嬉しいお言葉本当にありがとうございます(；；)何度も読み返して下さってるなんて嬉しすぎます。もちろんです、むしろこちらこそ引き続きよろしくお願いします！！ (6月8日 22時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - もしよければこれからもいとさんの作品とご一緒させてください！！！！！！！！！ (6月8日 22時) (レス) id: 2fbfb927f5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 完結おめでとうございますそしてありがとうございます！本当に素敵でした。私はいとさんの作品が本当に大好きで、短編集の方も何度も何度も読み直して、読み直しては切なくなったりほっこりしたり、キュンキュンしたりしています。 (6月8日 22時) (レス) @page50 id: 2fbfb927f5 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！あぁ嬉しいです…(；；)そのお言葉のおかげで書き終えられて良かったなと改めて思えました！本当にありがとうございます。 (6月8日 21時) (レス) id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - しっかり長編を終わらせてくれてありがとうございます。毎回ドキドキしながら読ませていただいてました。長編ならではの焦ったい描写がとても良かったです！ (6月8日 21時) (レス) @page50 id: f5a6eed348 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年5月17日 20時
