踏み込めない彼＿Shogo_S ページ7
泣き腫らした眼を擦りながら、浮気された、とメッセージを送信した。
数分後、返信が来た。さすが早い。
どこにおるん、とたったの6文字。そっけないなぁとふてくされながら家に居ることを伝えた。
それから数十分後、インターホンが鳴った。やっぱり早い。
玄関のドアを開けると、面倒そうな顔をした彼が立っていた。
『お前ほんま、浮気されすぎ』
そう言いながらも、彼は手に大きな袋をぶらさげている。中には私の好きなお酒とおつまみがぱんぱんに入っているのが透けて見える。
私は彼の、このぶっきらぼうな優しさに甘えっぱなしだ。
男運がないことは自覚している。
彼氏が出来ては浮気をされたり、そもそも浮気相手のほうだったり、急に結婚していることを知らされたりしてきた。
その度に私は幼馴染である彼を呼び出して、慰めてもらってきた。
変な詮索を入れてきたり、私の気持ちなんてまるで考えていないアドバイスをしてくる女友達よりも、迷惑そうにしながらただ一緒にいてくれる彼のほうが、私にはありがたかった。
「私やって、浮気されたくて相手選んでるわけちゃうもん」
『当たり前やろ』
彼はゴソゴソと袋からお酒とおつまみを取り出し、テーブルの上に並べる。
そして、ハァと大きなため息をつきながら乱暴にソファに腰掛けた。自分の家やと思ってる？
私が隣に座ったのを確認すると、缶チューハイの蓋をぷしゅっと開けて、ん、と渡してくれた。
自分の分も開けるとひとくち飲んで、またため息をついた。
『だから俺にしときって言うてるのに』
「また言うてる」
これは本当に、いつも言われる。
でも本気か冗談か、訊けたことは一度もない。
本気と言われたらどう返せばいいのか分からないし、冗談と言われたら…なんだかすごく落ち込んでしまいそうな自分が怖い。
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
