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ロングコートダディさんは、この4月から活動の拠点を東京に移す。
2度と会えなくなるわけではない。大阪にだって帰ってくるだろうし、時間が合えば食事にも連れて行ってもらえるだろう。
でも、違う。絶対に今までとは違う。
会いたい時に会えて、話を聞いてほしい時に聞いてくれる彼は、居なくなる。
なのに私は、何も行動できない。
もしも、万が一、想いが通じあったとしても…その先はどうする？
私は"こっち"に残るん？
それとも"あっち"についていくん？
わからない。わからん、わからん、全っ然わからん…。
『A？どうしたん、難しい顔して』
ハッとした。
劇場の楽屋でのんびり過ごしている彼の横に座ったのは私のほうなのに、隣に彼がいることを忘れてずっと考え事をしていた。
「いえ、なんでもないです」
『そぉ？』
「…いや、ちょっと、悩んでます」
『どんなこと？』
「…堂前さんには言えへん感じの」
『えー？だいぶ拗らせてんなぁ』
彼のその言葉をきいた瞬間、またあの春の日のことを思い出す。
"拗らせてんなぁ"
彼はあの日もそう言っていた。
そして…そのあとに、なーんにも変えんでいいよ、と笑ってくれた。
そっか、そうやんな。
私は私のままでいい。芸人同士とか、大阪と東京とか、もうどうでもええやん。
彼のことが、こんなに好きなんだから。
「堂前さん」
『んー？』
「やっぱりちょっと、話したいことあります、いますぐ」
『…うん。あっち、行こか』
楽屋を出て誰もいない控室に2人きり、椅子に座るのもなんだか違うなと思って、立ったまま向き合った。
「…すみません、ほんま急なんですけど」
『うん』
「堂前さんのこと、好きです」
目を見て言えた。
返ってくる反応が怖くて、すぐにでも目をぎゅっと瞑りたかった。
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
