雨、コーヒーの香り、彼女＿Shogo_S(after"アイスコーヒーの彼") ページ35
Sakamoto side
you→『 』、skmtさん→「 」
*****
僕が再び彼女のお店に出向いたのは、あれから5日経った日のことだった。
その日も雨が降っていた。
『いらっしゃいませ。…あっ、阪本さん』
「…こんにちは」
『もう大丈夫なんですか？』
首を傾げる彼女が可愛すぎて、思わず見惚れそうになる。
「はい、もうすっかり…先日は本当に、すみませんでした」
僕は深々とお辞儀をした。
『そんなやめてください、仕方ないやないですか』
「僕から誘ったくせに…ほんま情けないです」
『気にしないでください。それより阪本さん、面白いお友達がいてるんですね』
「あぁ…あの…アイツ…やりやがったんですよね？」
彼女は、あはっ、と笑ってから言った。
『はい、やりましたね完全に』
あの日、中谷に彼女との待ち合わせ場所へ行って事情を説明してくれないかと頼んだ。その時点で僕の判断は間違えていたのだと思う。
高熱にうなされて、正常な判断が出来ていなかった。
中谷は大量の手土産を持ってお見舞いにやってきた。そして異常に優しかった。彼女との待ち合わせはどうだったか訊いても、大丈夫大丈夫、としか言わなかった。明らかに怪しかった。
お前なんかやったやろ、正直に言え。
ベッドに横たわりながら伝えると、中谷は顔を歪めて話し始めた。
「ほんまごめん、言うてもうた」
「…なにを？」
「阪本の気持ち。Aさんのこと、好きやって」
「ハァー…お前さぁ…」
「実際会うてみたら、話しやすい人やったからさぁ、ついポロッと…」
「話しやすい人やったらなんでも言うんか」
「でも！でもな！めちゃくちゃ好感触やったで！お前多分、両想いやって！」
「え？そんなわけないやろ」
「いや、あれは絶対そうや。今も、お見舞いついていきたいって言うてくれたんやから」
「…えぇ？俺これ以上熱上がったら気ぃ失うって」
「うん、だからそう言うて断っといた」
何故か誇らしそうにしている中谷を見ると、これ以上怒る気も失せてしまった。そもそも体調が悪かったし。多分両想い、というひとことが頭の中をぐるぐるして何も考えられそうになかったし。
体調が回復して、まず彼女に謝りに行かなくてはいけないと思った。そして、ちゃんと僕から気持ちを伝えなくてはいけない。
そう決心して今日、彼女のコーヒーショップに訪れたのだ。
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
