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そうして私たちは、時間が合う日は待ち合わせて一緒に帰るようになった。
私のほうが仕事が終わるのが早くても、残業があってん、と時間を合わせていることも彼には秘密だ。
たまにそのままご飯を食べに行ったり、コンビニに寄り道をしてアイスを食べながら帰ったこともあった。
でも彼はいつも駅前で、じゃあまたな、と手を振った。
こんなに一緒に過ごしても、私たちは友達以上の関係にはなれないんだな、と思うと胸が苦しかった。あの頃と比べて私たちは随分大人になったのに。
今日も私は、そのまま帰るのかな、どこかに寄ろうと言ってくれるかな、と考えながら彼と並んで歩いている。
『そういやさぁ、Aにきいてほしい話があんねんけど』
「うん。何？」
『昨日、俺告白されてん。知り合いの女の子に』
「えっ、あぁ、そうなんだ、へぇ」
どうしよう。
ききたくないかも。全然知りたくない話かも。
『でも、断った』
「あぁ、そうなんや」
…きいてもいいかも。少しなら。
『なんでですかぁ、って言われたからさ。好きなひとおんねん、って答えた』
…やっぱり、ききたくない。
しんどい。相槌すらうてなくなってしまった。
彼のペースに流されることに甘えて、自分から何も伝えてこなかったことを思い返して、泣きそうになる。
『どんな人なんですかぁって訊かれて。最近再会した、高校の同級生なんやけどって、言った』
「………えぇ？」
なに？この展開。
まるでジェットコースターに乗っているようだ。
『すっごい可愛くて、居心地いいねんって話したらやっと納得してくれたわ』
「ご、ごめん、あっきー…それどこまでがほんまの話？」
『どこまでって、全部に決まってるやん』
こんな嘘つくわけないやろ〜、と彼は笑っている。
どこまでマイペースやねん、このひと。
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
