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『さっきの話、やけどさ』
「…うん」
『俺はAがおらんくても生きていけるよ』
最悪。ぼろぼろの心にまた大きなトゲが刺さる。
『でもそれは、Aもおんなじやろ？』
「…おんなじやないよ、私は皓平がおらんと」
『じゃあ俺と付き合う前どうやって生きてたん』
確かに、と思ってしまった。
そういう問題じゃないやろ、という気もするけど。
彼はブランコを軽く揺らしながら、続けた。
『お互い1人でも生きていける、それでも一緒におるのはなんでやと思う？』
じわ、と涙が滲んできた。
その先に続く言葉が分かったから。
私がずっと欲しかった言葉をくれることが、分かったから。
『一緒におったほうが、幸せやから。しんどいときに踏ん張れるから。…Aのことが好きで好きで、たまらんからやろ』
「うん、ごめん…ごめんなさい」
『いや、俺のほうこそごめん。せっかく色々考えてくれたのに、反応適当すぎたわ』
彼はブランコから降りると、私の前でしゃがんだ。
泣かんでよ、と自分の袖で私の涙を拭いてくれた。
『Aと一緒におれば絶対楽しいから、なんでもええって思ってもうてん』
「…うん」
『明後日、楽しみやな。その次休み被ったときは俺がなんか考えるわ』
「…野球観戦は、嫌や」
『え〜っ』
だいぶ選択肢減ったやん、と彼は頭を抱えて見せた。その姿が面白くて、私は泣きながら笑った。
『帰ろか』
「うん、帰る」
手を繋いで、ゆっくり歩く。
久しぶりに繋いだ彼の手は大きくて温かかった。
べつに1人でも生きてゆける私たちは、それでも一緒に居たいから、明日からも2人で並んで生きてゆく。
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いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
