幸せをくれる彼＿Toru_D ページ4
夕飯を食べ終えて、後片付けをした。
彼は鼻歌を歌いながらゲームをしている。
「今日は何時頃寝るん？」
『ん〜？これクリアしたらかなぁ』
だからそれは何時頃なんよ、とつっこむと、あははと笑い声だけが返ってきた。
「私、お風呂入ったら寝よかな」
『あぁそう？分かった〜』
ゲーム画面に夢中な彼は、私のほうを見向きもしない。さすがにちょっと腹が立って、大きなため息をつきながら脱衣所のドアを閉めた。
湯船に浸かり、ぼうっと考える。
付き合って3年半。
明日は、私の誕生日だ。
付き合って1年目、初めての誕生日は彼が旅行を計画してくれた。私の大好きな温泉に連れていってくれて、美味しいご飯を食べた後にネックレスをプレゼントしてくれた。
『ん〜、やっぱり似合うわ』
私にネックレスを着けて、満足そうに笑った彼は急に真剣な顔をした。
『あのさぁ…一緒に、住も』
「え？」
『家帰った時、Aにおってほしい。そしたら俺、もっと頑張れるわ』
あかん？と私の顔を覗く彼の胸に、勢いよく飛び込んだ。
「あかんわけ、ない」
やったぁ〜と力いっぱいに抱きしめてくれた彼の腕の中で、これ以上の幸せはない、と本気で思った。
2回目の誕生日は、彼は仕事だった。
それでも夜は空けてくれて、レストランを予約してくれた。
彼は仕事終わりにまっすぐ来てくれることになっていたので、久しぶりに外で待ち合わせをした。
着ていく服や髪型に迷ったことも久しぶりで、心が踊った。
『お待たせ〜』
人混みから私を見つけてくれた彼は、なんだかいつもより格好良く見えた。
お洒落なレストランで食事をして、サプライズでケーキも出してくれて、帰りは手を繋いで帰った。
家に着いてから、じゃぁん、と彼が渡してくれたものは私が好きなブランドのパーカーだった。
嬉しくて嬉しくて、早速その場で着替えて二人で写真を撮った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いと(プロフ) - オズワルダー・カイさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです( ; ; )私も想像できすぎてニヤニヤしながら書きました！笑 (2023年4月15日 12時) (
レス) @page50 id: 5013af6899 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - とても面白かったです！nktnさんが口を滑らすのが想像できて笑 何度でも読み返します！ (2023年4月15日 8時) (レス) @page50 id: 6b28a2102b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いと | 作成日時：2023年3月25日 23時
